内容紹介
中国の失速は新興国によって増幅され、世界危機に波及し、日本経済を直撃しかねない。最悪の経済リスクシナリオを公開する。おすすめポイント
アメリカがくしゃみをすると日本が風邪を引くといわれたのは20世紀の話。今や、中国がくしゃみをすると世界が凍てつく時代だ。本書は、新興国発世界経済危機のリスクシナリオを明らかにする。2016年初から新興国不安が再燃、世界中に連鎖。新興国不安とそのリスクは短期的、一時的なものではなく、構造的・継続的なもの。そのリスクにフォーカスし、世界経済への意味合いを探る。
世界経済は、米国サブプライム危機に代表されるバランスシート調整の「第1局面」、欧州ソブリン危機に代表される「第2局面」に続く、新興国危機の「第3局面」に突入する。2000年代初頭以降の新興国ブームのスーパーサイクルも転換してしまう。
本書は、新興国危機が米国、日本といった先進国に波及し、世界連鎖不況に陥るメカニズムを分析。「第4局面」として世界大恐慌以来の不安にもなり得るものであり、世界連鎖不況はアベノミクスにとっての最大のリスクというべきものだ。
みずほ総合研究所の抱く基本シナリオでは、新興国の減速と先進国の緩やかな回復を見込む。しかし、リスクシナリオとする「第4局面」では、新興国が深刻なバランスシート調整圧力を抱え、先進国も含めた世界連鎖不況・同時不況に陥ることになる。
唯一のけん引役である米国も利上げによって減速、世界にけん引役不在の「世界水没」不安、世界同時恐慌の再来、世界全体に波及するリスクが存在している。