内容紹介
需要のないマンションが乱立、都合の悪い情報は隠蔽……。なぜ中国経済の長期低迷が必至なのか、現地取材を重ねた記者が徹底ルポ。おすすめポイント
「中国ショック」は歪な経済システムの行き詰まりを示す、表層的な現象にすぎない――。統制過剰、隠蔽、縁故、拡張主義、国際規律無視……中国経済を行き詰まらせるのは何か。
2015年の株式市場の暴落をはじめ、中国経済はその変調を隠しきれない。国内には未だ大きな開発余地があるものの、共産党による経済運営はさまざまなレベルで軋みが生じ、現状の体制システムのままでは早晩、低成長の常態化に追い込まれる。
「国有企業は需要減でも人員調整できず、『目標』達成のためだけに無意味な生産が続く」「不祥事、事故はもとより、経済の変調情報すら隠蔽される」「党の『計画』が優先され、誰も住みたくない土地に高層住宅が建ちまくる」……。
さらに無理な拡張主義、横暴な国際ルールの無視により、周辺国・先進国との経済協力にも障害が生じる。国際社会で孤立する中国は、成長を阻害する。
中国総局で経済分野を追った日経記者が、中国経済を長期的に低迷させる社会的な矛盾、問題について現場レポートする衝撃のルポ。