内容紹介
議論沸騰! 注目の制度を解説する最新の入門書。格差が是正? 賃上げ実現? 非正規解消? 素朴な疑問にプロが答える。おすすめポイント
2018年6月29日、働き方改革法案が国会で成立しました。安倍晋三政権が目玉政策として進めてきた「働き方改革」の柱は、「長時間労働の是正」と「同一労働同一賃金の導入」の2本です。長時間労働の是正に比べ、これといった進捗が見られなかった「同一労働同一賃金」も、法案成立でようやく動き出すことになります。本書は、この新たなルールを基礎から理解するための格好の入門書です。政府が参考にしている欧州の実態や2016年12月に公表された「同一労働同一賃金ガイドライン案」など最新の動きを踏まえた内容となっており、自社の課題把握や法施行に備えた検討にも役立ちます。
同じような仕事に対しては同等の賃金を支払う――この一見すると当たり前のことが日本ではなぜ実現しなかったのか? 欧米企業と日本企業との違いはどこにあるのか? 同一労働同一賃金の議論の背景にある不公平感や社会の実態にも目を配りながら、誰もが疑問に抱くポイントをていねいに説明します。
安倍政権の最大の狙いは、非正規労働者の処遇改善、正規社員との賃金格差の是正です。その政府が参考にする欧州では近年、賃金格差が広がる傾向にあります。同一労働同一賃金というルールを導入すれば賃上げが実現する、という単純な図式ではありません。
日本企業の賃金は若い頃は安く、年齢が上がるに従って引き上げられるのが一般的。その背景には、労働者が生活に必要なお金を必要となる時期に支払うという、企業に対する社会的な要請があります。こうした仕組みと同一労働同一賃金は共存できるのでしょうか。新たなルールは、企業や従業員ばかりでなく、社会全体に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。
本書は、複雑な問題をはらんだ同一労働同一賃金をさまざまな角度から解説するとともに、導入する際はどのようなステップを経るべきかについても、踏み込んだ検討をしています。 この問題を考える際、最初に手に取りたい一冊です。