内容紹介

現代俳句の若手を牽引する著者の第一エッセイ集!なにげない日常生活での発句の一瞬を透明な文章で活写。読むと俳句をつくりたくなる。

おすすめポイント

俳句甲子園世代の旗手、待望の初エッセイ集

恋の代わりに一句を得たあのとき、私は俳句という蔦にからめとられた。

幼い息子の声、母乳の色、コンビニのおでん、蜜柑、家族、故郷……日常の会話や風景が、かけがえのない顔をして光り出す。


人は変わらないけど、季節は変わる。言われてみればそうかもしれない、と頷く。
定点としての私たちが、移ろいゆく季節に触れて、その接点に小さな感動が生まれる。過ぎ去る刻をなつかしみ、眼前の光景に驚き、訪れる未来を心待ちにする。
その心の揺れが、たとえば俳句のかたちをとって言葉になるとき、世界は素晴らしいと抱きしめたくなる。生きて、新しい何かが見たいと思う。(「あとがき」より)