内容紹介

寒冷化や干ばつによる飢饉、疫病、戦争――。古来、日本人が異常気象にどう立ち向かってきたのかを豊富な逸話とデータで描く異色作。

おすすめポイント

われわれの先祖はいかにして立ち向かったのか?
異常気象との攻防1400年!

様々なエピソードを詳細なデータに基づき分析する。

●「銃 病原菌 鉄」の日本史版!
本書は、われわれ日本人の祖先が気候変動に対しどのように立ち向かってきたかについて、歴史の流れに沿って記したもの。気候変動に起因する災難等への各時代の人々の行った対応策に力点を置いています。

日本人は自然災害に対して受け身であり過去の経験を活かす意欲に欠けるといわれることがありますが、そんなことは決してありません。われわれの祖先も現実を直視し、苦悩する中で何とか打開策を見出そうと模索し、予防策を真剣に考え行動を起こしてきました。その歴史を振り返り、今も頻発する異常気象、災害にどう対処すべきかを学べる1冊です。律令制を崩壊させた干ばつ、戦国大名たちを動かした飢饉、江戸幕府による窮民政策――。日本の歴史を動かしてきた、気候との1400年に及ぶ闘いを描いて好評を博した異色作を文庫化しました。

気象災害が毎年のように日本列島を襲っています。こうした現象は今にはじまったわけではなく、むしろ日本の歴史は異常気象との攻防の歴史であったともいえます。

寒冷化や干ばつといった異常気象や気候変動に起因する飢饉、戦争といった災難に、時の為政者、庶民は試行錯誤しながら対応してきました。

本書は、歴史と気候を結びつける豊富なエピソードと、それを裏付ける緻密なデータを元に解説する文明史です。そこには、現代を生きる我々にとってもきわめて有意義な叡智が散りばめられています。

自然科学と人文科学の領域をまたがり、さらには異なる歴史区分について記述する場合、細分化された研究分野を攻めてきた大学研究者では時代を越境した記述を大胆に行うことはなかなかできません。本書には、在野の研究者ならではのユニークさがあります。