内容紹介

人口減が進むなかで高度経済成長期の手法で再開発が続けられる日本の都市の歪みの実態を、現場取材と独自のデータ分析も交えて明らかに。

おすすめポイント

◆人口減、地方・郊外の高齢化が進むなか、都市を現状の規模のまま維持することは不可能になっている。日経が、独自取材と調査で、危機の実態を明らかにする。

◆2020年に向けて首都圏で各所で進められる行き過ぎた再開発、間に合わないインフラ整備。その一方で高齢化が進み駅前商店街が歯抜け状態になる郊外、空き屋増加で見込みが立たなくなったマンション修繕など、人口減が進むなかで高度経済成長型の都市開発が続けられる歪みの実態を明らかにする。

◆また、不動産情報会社の協力を得て全国規模の独自調査を実施。再開発案件やコンパクトシティ化事業にどれぐらいの補助金が入っているのかや、マンション修繕費用の状況などを明らかに。

◆新しいデータジャーナリズムの取り組みとして日経本紙・電子版で展開した注目特集の単行本化。ビッグデータの収集やデータ分析が大流行ですが、新聞やニュースの世界でも独自の調査・分析を駆使する「データジャーナリズム」という新しいスタイルが始まってきています。本書は、だれも全体を把握しないまま、大量の空き家発生と再開発が同時進行し、取り返しのつかない事態になりつつあるのではないかという問題意識で、日経記者が調査報道に取り組んだ成果です。

武蔵小杉や東京湾岸地域といった人気の街で起きている学校・交通などインフラ不足、町内会や日照の問題などの実態を取りあげます。ほかにも、六本木、宇都宮、国分寺、八王子、荒川、浦安、松戸、我孫子、熊本市、富山市、和歌山市、名古屋など日本各所で起きている問題を現地取材で取りあげます。

また多くのマンションで修繕積立金が不足しつつある実態、タワマン併設事業にこれまで1兆3000億円の公費が投入されてきたこと、空き家予備軍が全国705万戸、三大都市圏336万戸もあることなどを独自のデータ分析で明らかにしました。

自分の住む街がこれからどうなるのかや、どうやって住む街を選べばよいのかを考えるうえで欠かせない1冊です。