内容紹介
ホワイトカラーこそ、現代の「死に至る職場」だ。「カネと仕事」という2大ストレスを抱えるあなたはこの現実をどう生き抜くか?おすすめポイント
『「権力」を握る人の法則』『悪いヤツほど出世する』の著者が、
「働き方改革」時代に放つ警鐘
労働者は文字通り、
給料のために死ぬ。
あなたもその一人にならないように。
一昔前の「死ぬ危険性が高い職場」は、油田や鉱山や化学物質工場だった。
だが公的機関の監督や規制によって、労災死亡は激減した。
いまやホワイトカラーが働く「ブラック職場」のほうが、よっぽど死ぬ危険性が高い。
職場環境のストレスが及ぼす健康への悪影響が指摘されているにもかかわらず、政府も経営者も積極的に対策を取ろうとはしていない。
過労死はもはや世界的現象だ。
中国では低賃金、劣悪な職場環境、超長時間労働、予測不能な不規則勤務が原因となり、年間100万人が過労死している。
アメリカでは労働時間が増え続け、2000年にはついに世界最長となった。
正規の労働時間の枠外で夜間や旅行先でもメールチェックする人が5割、休日にもチェックする人が8割を超える。
全世界のホワイトカラーが、「持続不可能」な労働環境に身を置いている。
そしてギグワークに代表される新しい副業形態は、労働者を安くこき使う手段をますます増やしている。
経営者が「コスト」「リソース」「生産性」「費用」といったキーワードで労働者を見ている限り、この問題は解決しない。
そんな環境下で「カネと仕事」という2大ストレスを抱えるあなたは、「死に至る職場」をどう生き抜くべきか?
『「権力」を握る人の法則』『悪いヤツほど出世する』の著者が、「働き方改革」時代に放つ警鐘。長時間労働も、休日出勤も、長期出張も、家庭との両立困難も、サービス残業も、家に仕事を持ち帰るのも、それが当たり前だという環境に身を置いていると、いつの間にかそれが「規範」になってしまいます。
不幸にも、現代の多くの職場では、そういった過酷な労働条件が「規範化」していて、そんな職場を去る人を「おかしい」と思ってしまったりします。「みんなが耐えているのに、なんで?」というわけです。
上司から達成不可能な目標を押しつけられ、人員も減らされたうえに、残業はしないで売上は死守しろと強要されていても、同僚みんなが同じ条件で必死に働いていると、それに抗議するという発想すら奪われてしまうのです。
そんな現状に異を唱えるのが本書です。スタンフォード大学ビジネススクールの著名教授が、統計データなどを駆使し、いかに職場におけるストレスが従業員の健康を害し、死亡数を増やしているか、そして過酷な労働条件が「異常」であるかを解説します。
従業員にとって幸せな職場は、「生産性」「仕事への愛着度」「充足感」も高くなること、従業員を「コスト」や「リソース」としか考えない経営者たちが「持続不可能な職場」を作り出し、生産性を引き下げてしまっていることを示します。
いま企業経営に不足しているのは、「幸福」や「満足」といった、通常の生活では「追求すべきもの」とされている言葉です。「給料のために死ぬ」ように求められた現状をどう変えられるのか。働き方改革が始まった日本において、雇う側と雇われる側の双方が読むべき本です。
(2019.4.10)