内容紹介
部下も上司もそろって成長できる「1on1」とは何か? 何を目指し、どのように実施するか。「アドラー心理学」の要素も含めて解説。おすすめポイント
「1on1」とは、「上司と部下の間で、週1回~月1回、30分~1時間程度、用事がなくても定期的に行う1対1の対話」のこと。インテル、マイクロソフト、グーグル、ヤフーなどの外資系IT企業を筆頭に、日本企業にも導入が相次いでいます。働き方が多様化し、かつ、働く人の価値観が多様化している昨今、従来よりもより深いコミュニケーションが求められるはずなのに、逆にコミュニケーションの機会がグッと減ってきています。そんな企業の悩みに対して、1on1が解決策の一つとして注目を集めています。
一方で、このために定期的に時間を割くのは難しく、ルーティン化してやめてしまうパターン、話すことがなくなってしまうパターン、成果が見えずやめてしまうパターンなど、多くの失敗例があります。本書は、実施方法だけでなく、失敗例や心理的に気をつけることなど(アドラー心理学の要素も随所に投入)、細かいところまで注意が行き届いており、日本で数少ない「1on1」の本の決定版といえるものです。
著者は、「1on1」をテーマに大企業などで数多く、そして一社でも数回にわたり講師を務めています。その中で出てきた質問など、経験も踏まえて記述しています。「1on1ミーティング」(1on1)。1on1とは、「部下と上司の間で、週1回~月1回、30分~1時間程度、用事がなくても定期的に行う1対1の対話」のことです。シリコンバレーにある企業を中心に米国全土に広がり、日本でも実施する企業が増えています。
この書籍の企画がたちあがったのが、昨年の始めごろ。その頃に比べれば、1on1の普及が日本でもずいぶん進みました。その割には、日本では1on1の書籍自体が少なく、導入したくても参考になるものがあまりない、というのが現状です。
著者の小倉さんは、「1on1」という言葉が広がる前から、同じような取り組みを期せずして行っていたようです。このような経験と、『任せる技術』などの著書のベースとなった企業研修講師としてのスキル、また、「アドラー心理学カウンセラー」としての実績を踏まえ、本書を執筆しました。
「1on1」は実施時間と場所を決めたら終わりではありません。心理的に気をつけるポイントを知ることや、チェックシートのような「小道具」も必要です。本書はそのようなものも例示した「決定版」と言えるでしょう。
(2019.5.20)