内容紹介

●クラフトビール「よなよなエール」はなぜこんなに愛され続けるのか
  「よなよなエール」で知られる ヤッホーブルーイング が、クラフトビール市場で躍動している。2020年11月期には、 18年連続で増収 を達成。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で苦戦する大手ビールメーカーがある中、2020年12~2021年2月(第1四半期)も売上高が 前年比43%増 となり好調が続く。
  なぜ同社は、業績を伸ばし続けられるのか。原動力になっているのは実は、ヤッホーが好きで、よなよなエールなどの個性的な同社のビールを愛飲し続けるファンの存在だ。ヤッホーは、同社製品の世界観(ブランド)や品質、機能に加え、会社の価値観にも 共感・支持する人々をファンと定義 する。そう。まるで仲間や親しい友人、同志に接するかのように、すべてのコミュニケーションを組み立てているのだ。その企業姿勢がファンの共感を呼び、さらにヤッホーの応援に熱が入るという 好循環 をつくり出している。
  こうした考え方は、消費者を顧客と捉えてテレビCMなどのプロモーションで新規顧客を一気に取り込む従来のマーケティング手法と比べると異質だ。しかし消費者の嗜好が多様化し、生活様式も大きく変わり、消費者との間に密な絆を築くことが難しくなりつつある今の時代にこそ求められる、 新たな企業と消費者の関係性 だろう。
  本書は、ヤッホー が約20年間にわたって実践 してきたファンを大切にする一連の活動の全貌を紹介するものだ。著者は、イベントなどを通じてファンづくりと向き合う専門ユニットを立ち上げ、今日ヤッホーが提供している数々のイベントを企画した 中心人物である佐藤潤氏 だ。次代のマーケティングはかくあるべし。本書を読めば、 企業が取るべき次の一手 が浮き彫りになる。

【目次】
  “てんちょからごあいさつ
1章   なぜヤッホーブルーイングは、ファンをこれほど大切にしているのか
2章   ローソンと共同開発「僕ビール君ビール」に見るファンづくりの神髄
3章   醸造所見学は、愛されるための入り口   総出でファンの知りたいに応える
4章   ファンが自信を深める場所   公式レストランの本当の価値
5章   なぜ5000人が「超宴」に夢中になるのか   ヤッホー流イベント企画術
6章   「ヤッホーが大変そうなら私たちがやります」   自ら動き出すファンたち
7章   ファンとのエンゲージメント効果は「NPS+熱狂度」で検証する
8章   全員が「知的な変わり者」を目指す   フラットな組織文化が人を育む
9章   「よなよなエール」がファンに愛されるまで   長くて厳しい歴史と道のり
  感謝の気持ちを込めて