内容紹介

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花王社長 長谷部佳宏氏推薦!
「100冊のデジタル関連本よりも、まずコレ。
ビジネス×ヒト×AIの行方を情報技術の革命児たちが語る」
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"文系"ビジネスパーソンが知っておくべき「AIの本質」はこれだ!


今ビジネスの世界では「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」という言葉がますますもてはやされています。AIが描いた絵、AIが予測した需要、AIが温度調節するエアコン、AIが選んだ投資銘柄……まるで人間の意思から独立して動く一つのものであるかのように、AIを主語として「AIが~する」という表現も極めて一般的になりました。

ただ、課題解決の新しい手段として存在感を増していくにつれ、「仕組みはよく分からないけど、とにかくAIさえ導入すれば課題を解決できる」という極めて漠然とした理解が広がっていることも否めません。エンジニアだけでなく、ビジネスの現場で事業をけん引するビジネスパーソンこそ、AIの基本原理やメリット、そしてその限界を理解していることが重要になるのです。

我々Preferred Networks(PFN)は、現在「AI」と呼ばれることが多い機械学習・深層学習という技術の実用化で多くの産業領域の企業と共同研究や事業を行ってきました。その経験をもとに、「AIで課題解決にうまくこぎつけない」というビジネスパーソンの課題に応えるため、2021年秋に、エンジニアリング志向でもなく、単なる知識の注入でもない事業担当者向け研修プログラム「AI解体新書」(https://anatomy.preferred.jp)の提供を開始しました。

本書はさまざまな事業分野で深層学習を課題解決に役立てるための、本質的で応用可能な思考法を身につけるための「AI解体新書」のエッセンスを抽出したものです。深層学習を使ったツールを自分でつくれるようにすることや、「AI」という学術領域のうんちくを身につけることを目的としていません。

まず第1章では、AI技術で本質的に何ができるかという"WHAT"について、「3つの力」に分けて説明します。第2章では、機械学習・深層学習がどのような仕組みで動いているのかという"HOW"について、プログラミング言語や数式を使わず、例を挙げながら解説。第3章では、PFNが実際に手掛けた事業現場への応用例を、第4章では「AIの未来」について紹介します。
そして最終章では、そもそもなぜビジネスに「AI」と呼ばれる技術が必要なのか、という根本的な"WHY"について、インタビュー形式で明らかにしています。

実はPFN社内では「AI」という言葉はほとんど使いません。技術に言及するときは、「機械学習」「深層学習」「強化学習」といった具体的な名称を使っています。本書のタイトルや「AI解体新書」ではあえて「AI」という言葉を使っていますが、実際の事業の現場ではこのような漠然とした概念が役に立たないためです。

本書をお読みいただければ、機械学習・深層学習・強化学習や、それらの機能である認識や生成、制御などを「AI」と一緒くたにして議論することがビジネスの現場ではあまり意味をなさないことがお分かりいただけるでしょう。「AIが絵を描く」ではなく、「人間の意思で、深層学習を利用した生成モデルが絵を描く」という枠組みと解像度で事象を理解し、ご自身の事業の課題解決に応用できるようになることを目標としています。

ビジネスパーソンの皆さんにとって、本書が「AI」の本質的な原理やメリット、限界を知り、ビジネスの現場でいち早く役立てるための一助となれば幸いです。

【目次】
まえがき

第1章 「深層学習」で進化した"3つの力"
1-1 機械学習の限界を超えた「深層学習」
1-2  3つの力①「認識」
深層学習の大きな強みは「汎化性能」
深層学習で自動運転が急速に進化
小売店の棚の状態を経時的に追うことが可能に
音声認識との組み合わせでロボット活用ハードルが下がった
1-3  3つの力②「生成」
自分だけのキャラクターを自動で生成
アニメーションの背景生成作業が手描きの6分の1に
化合物を設計する
1-4  3つの力③「制御」
ドローンから化学プラントまで

第2章 機械学習・深層学習の基本
2-1 「知能」とは何か
2-2 機械学習の基本
2-3 3+1の学習バリエーション
学習①「教師あり学習」
学習②「強化学習」
学習③「教師なし学習」
「自己教師あり学習」
2-4 学習の具体例
2-5 ニューラルネットワークとは何か

第3章 AI技術をどのように活用するか
3-1 「画像認識」
画像認識はAIブームのメインストリーム
深層学習による画像認識は何がすごいのか
画像認識の基本原理と問題設定
実際の開発プロセスと注意点
画像認識より簡単な方法はないか
データセットを作成する
3-2 「最適化」
「最適化」とは何か
シンプルなホワイトボックス最適化
ソルバーを使った最適化の進め方
複雑なホワイトボックス最適化
ブラックボックス最適化
3-3 「異常検知」
「異常検知」とは何か
「見る異常」と「測る異常」
従来の自動検査では難しい対象も検査可能に
センサーを使った異常検知
異常検知の理想と現実
3-4 「創薬」
創薬研究者の悩み
AI創薬によるパラダイムシフト
深層学習を用いた生成とは?
深層学習による分子生成技術
生成した分子を計算で評価
新型コロナウイルス感染症向けの創薬にも

第4章 AIの未来
4-1 今後10年間にAIによって何が起きるか
4-2 【AIの未来(1)】 シミュレーション×AI
シミュレーションは"油田"になる
4-3 【AIの未来(2)】 超大規模学習
大規模データ事前学習時代の到来
大規模事前学習モデル+蒸留
計算力の向上は今後も見込めるのか

最終章 なぜビジネスにAIが必要か
西川 徹 × 岡野原 大輔インタビュー


コンピューターは人間の認識や処理性能を拡張する
AI技術がプログラミングの概念を拡張
人間が価値観を与え、AIが試行錯誤する
人間は「家族的類似性」を認識できる
深層学習でものづくりの概念が変わる
コンピューターの性能が上がると、人間も賢くなる
取れているデータだけで最適化しても局所解にしかならない
AIも創造的作業が可能になり、人間と協働する

あとがき