内容紹介

★想定外を乗り越えるサプライチェーン
★「Just In Time」は終焉、「Just In Case」の時代


サプライチェーンは転換点を迎えている。半導体不足、COVID-19、ウクライナ問題などによって既存のサプライチェーンはずたずたにされ、カーボンニュートラルやESGは企業にこれまでとは違った対応を求めています。サプライチェーンの考え方を抜本的に変える時期に来ていることはわかるのだが、ではどうずればいいのでしょうか。それを示してくれるのが本書です。

従来の考え方は「Just In Time」。計画通りに実行してお客様にお届けするのが当たり前という前提の中で、いかに効率的にできるかが主なテーマでした。しかし現在はそれではうまくいきません。精緻な計画を立案したとしても、想定外の事象により実行できないのが常態化しています。

求められるのは「Just In Case」の発想です。サプライチェーンに影響を与える「状況」を素早くとらえてダイナミックなマネジメントを実施します。「ダイナミック・サプライチェーン・マネジメント」こそ、求められるSCMです。

本書はSCMの歴史を踏まえたうえで、ダイナミック・サプライチェーン・マネジメントを「SCM 5.0」と位置付け、経営・デジタル・人材面の施策を多角的に解説します。サプライチェーンに関わるビジネスパーソン必携の1冊です。

<目次>
第1部 SCMの歴史と変遷
第1章 SCMとは何か
第2章 SCM前史
第3章 SCM 1.0:効率重視型SCM
第4章 SCM 2.0:反応重視型SCM
第5章 SCM 3.0:S&OP
第6章 SCM 4.0:デジタルSCM

第2部 SCMを取り巻く環境と課題
第7章 モノが買えない、作れない、運べない
第8章 予測と制御が困難な外部環境変化の増大
第9章 高まる社会問題への対応ニーズ
第10章 高まる供給の不確実性

第3部 SCM 5.0時代が求めるマネジメント
第11章 新時代に求められるダイナミックSCM
第12章 ダイナミックSCMが備えるべきマネジメント機能

第4部 SCMリーディングカンパニー先行事例
第13章 旭化成:サプライチェーン一貫の損益管理とGHG排出量の可視化
第14章 オムロンヘルスケア:End to End SCMでの「Bias-less Planning」
第15章 コニカミノルタ:事業強化型SCMとBCPシミュレーション

第5部 SCM 5.0:ダイナミックSCMの実現に向けた課題
第16章 SCMを企業ケイパビリティーとして高めるための検討範囲
第17章 ダイナミックSCM実現に向けた問題点
第18章 経営観点の施策:SCMを経営アジェンダとして捉える
第19章 デジタル観点の施策:新たな業務を生み出す土台としてデジタルを捉える
第20章 組織・人材観点の施策:ダイナミックSCMを担う組織を定義して人材を育成する