内容紹介
似ているが……ここは私の世界じゃない――作品初出は、コロナ禍で行動制限中の日経新聞夕刊
主人公が迷い込んだ異世界が現実を先取り?
ある朝、通勤と反対方向の電車に、魔が差して乗ってしまった。山の中をさまよい、戻ってくると、誰もマスクをしていない!
今朝の会議はユーツ。こんな生活、いつまで続けるんだ……
ぐだぐだ考えているうちに出てしまった下り電車は「急行」。
次々と通過していく駅を見ながら40歳の野崎修作は「ろくでもない毎日からの脱出」とサボりを決める。スーツで山に登り、「日常」に戻ると……ん? 何かおかしい、街も家も会社も。
どこかで聞いたような疫病が世界を分断していた。新宗教の持つ票があらゆる選挙を左右するらしい。「正義」に縛られた人たちはネット上で……
ここは私のいるべき場所じゃない。私の世界へ帰るのだ。
目次
I.異世界の扉はどこにあったのか?Ⅱ.似ているがここは私の世界じゃない
Ⅲ.どうすれば元の世界へ戻れるだろう
Ⅳ.私は私の世界へ帰るのだ
Ⅴ.異世界は今日も雨だった
Ⅵ.そしてまた旅が始まる