内容紹介
監査に正解はない!ひたすら推理し、確かめることで見える現実。
監査人と会社とのやりとりから
座学では学べない本質を理解できる、
著者にしか書けないケーススタディ集。
≪いまや監査人のレベルアップは必須≫
KAMが導入され、内部統制報告・監査制度の見直しも進む。監査事務により高度なレベルが求められるなか、個々の監査人にもしっかりとした職業的懐疑心とスキルが必要となる。そのためには座学も大事だが、豊富な、質の高い実務経験は不可欠だ。しかしそうした経験は簡単に得られるものではなく、そもそも粉飾決算に遭遇するなどきわめて稀であり、かつ、誰も望んではいない。
≪リアリティのあるケーススタディで磨く実践力≫
そこで有効になるのがケーススタディである。現実を踏まえ、よく吟味されたものであれば、身をもって経験するに等しい状況が生まれる。
本書は、経験豊富で多数の関連著作のある著者が、実践力を磨けるよう、誰もが遭遇しうる象徴的ケースを架空ストーリーに仕立て解説するもの。本書の特徴は大きく4つ。
①監査人が悩み、誤りを犯しそうな臨場感に溢れる。
②様々な角度から考えられる深みのある課題を抽出。
③結論が見えているものではなく、分析、推理しながら考えることでより実践的な理解が深まる。
④最適解を求めるのではなく、局面ごとにより確実な道を探ることで、監査人としての判断力が磨ける。
著者の英知をすべて盛り込んだ、関係者に必携の一冊である。
目次
はじめに粉飾決算にはいつ、どこで遭遇するかわからない
ケーススタディで経験値を上げてほしい
ケースのなかで共に悩み、迷い、考えてほしい
正解よりも大事なものに気づいてほしい
ケース1 数字は語る――老舗建設会社 アネモネ社のケース
ケース2 見えないものを「みる」――中堅システム開発会社 ゼラニウム社のケース
ケース3 預かり売上――精密部品メーカー ローズマリー社のケース
ケース4 海外子会社の粉飾――情報通信・事務機器製造・販売会社 ミモザ社のケース
ケース5 のれんの減損――精密機器等の製造・販売会社 マグノリア社のケース
ケース6 監査上の重要性――精密機器等の製造・販売 カトレア社のケース
ケース7 架空のシステム開発――SIサービスを軸とするIT系 ポピー社のケース
ケース8 架空売上と残高確認手続――新興企業 ライラック社のケース
ケース9 経営者にだまされる――中堅IT企業 アイリス社のケース
ケース10 同調圧力――通信・精密関連の老舗 ルピナス社のケース
ケース11 監査制度の軽視――伸び悩む設備関連メーカー サルビア社のケース