内容紹介
【戦争はなぜ起き、何をもたらしたのかを大胆に読み解く】アメリカ流の戦争の意外な起源、十字軍がもたらしたルネサンス、給食・制服は総力戦の遺物、文化交流の媒体としての戦争――。戦争と平和はコインの裏表。互いに影響し合いながら歴史を紡ぎだしてきた。本書は、古代ギリシア・ローマおよび古代中国の戦争から、今日の世界情勢に至るまで、戦争と平和という概念を切り口として世界史を読み解く知的興奮の書。歴史の大きな流れを縦軸とし、「戦争と社会」「戦争と宗教」「戦争と文化交流」といった横軸を設定。世界史の大きな流れを押さえながら各章で設定したテーマに沿って多角的に論を進める。今日の安全保障問題を考えるうえでの歴史の教訓も得られる生きた講義録である。
目次
Ⅰ なぜ戦争は起きるのか1.戦争の定義
2.戦争の起源
3.人間の自然状態とは何か
4.戦争の原因――「なぜ」を中心に
Ⅱ 平和とは何か
1.戦争の正当性
2.平和とは何か
3.平和の諸相
4.平和をめぐる問題点
5.おわりに――誰のための平和を語るのか
Ⅲ 戦争と世界観――古代ギリシア・ローマから今日のアメリカまで
1.古代ギリシアの戦争を俯瞰する
2.敗北しなかったファビウスより有名になったハンニバル
3.「西側(西洋)流の戦争方法」の継承
4.古代ギリシア・ローマの遺産
5.「アメリカ流の戦争方法」
6.戦場での栄光が栄達につながる――市民の権利と兵役の義務
7.押しつけの自由と民主主義
Ⅳ 戦争と宗教
1.宗教と戦争の関係性
2.文明の衝突と修道士(僧兵)の存在
3.十字軍について
4.十字軍遠征の歴史
5.「正戦」と「聖戦」のあいだ
6.十字軍の歴史――七回あるいは8回の大規模な遠征
7.おわりに――十字軍がもたらしたルネサンス
Ⅴ 戦争と社会――総力戦と社会の変化
1.フランス革命と総力戦
2.総力戦の萌芽
3.第一次世界大戦と総力戦
4.戦争の機能論
5.戦争と社会変化
Ⅵ 「時代精神」としての平和――戦争は抑え込めるか
1.正戦論の系譜――アリストテレスやキケロにまでさかのぼる戦争抑止の模索
2.ナイチンゲール、赤十字国際委員会と戦時国際法(国際人道法)の発展
3.戦争違法化への道
4.誰にとっての平和を語っているのか
Ⅶ 戦争と文化交流――「万里の長城」とシルクロード
1.長城のはじまり――秦~前漢時代
2.長城の完成へ――隋、唐を経て明へ
3.帝国建設に欠かせないインフラの整備
4.シルクロードに付随する長城の延長――唐代~
5.戦争と交易と文化交流――シルクロードを中心として
6.おわりに――文化交流の「媒体」としての戦争
Ⅷ 日本の戦争観と平和観――朝鮮半島への関与を通じて
1.古代から「クニ」の成立まで
2.倭寇と秀吉の朝鮮出兵
3.近現代の日本と朝鮮半島
4.白村江の戦いから朝鮮出兵までの流れ
