内容紹介

【中国の歴史を動かし、権力者が恐れた知られざる主役】
中国の歴代王朝が畏れたのは、天命という独自の考え方だった。各王朝は為政者としての正統性を天(天帝)から与えられたと考えた。天の信認が揺らぐと、その意志は水害・干ばつ・地震といった自然災害や日食・月食・彗星などの天体現象で示されて易姓革命となった。長期にわたって栄華を誇った統一王朝は、自然災害を端緒に民衆反乱が勃発、天命を失ったとして倒れた。秦末の陳勝・呉広の乱以降、中国の王朝交代の多くがこのパターンだ。本書は、気象の動向や気候変動から中国の歴史を振り返る歴史読み物。最新の研究成果を紐解き、今まで中国史の研究でおぼろげに扱われた気候変動の影響を解明する。

目次

プロローグ 中国の人々はどこから来たのか
 第Ⅰ部 先史編
第1章 気候変動を画期とする東アジア社会の変容
第2章 4200年前の気候の激変と初期国家の誕生
 第Ⅱ部 古代編
第3章 気候変動で浮沈する周王朝
第4章 寒冷化気候と春秋戦国時代
第5章 秦漢帝国の繁栄をもたらした気候の好転
第6章 災害に忙殺される後漢の統治
第7章 『三国志』の中の気候変動
 第Ⅲ部 中世編
第8章 寒冷期の民族移動による中国の変貌
第9章 気候変動と隋唐帝国の興亡
第10章 温暖な気候が支えた文化国家
第11章 温暖期と寒冷期をめぐるモンゴル帝国の盛衰
 第Ⅳ部 近世編
第12章 幸運な天気が味方した朱元璋の統一王朝
第13章 明王朝の短い繁栄と長い衰退の道のり
第14章 満州民族が作った統一王朝
 第Ⅴ部 近現代編
第15章 巨大火山噴火の頻発で傾く清王朝
第16章 20世紀の気象災害と現代中国
エピローグ 天の支配を目指す野心