その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日はチャールズ・エリス(著)、鹿毛雄二・鹿毛房子(訳)の『 チャールズ・エリスの超長期投資入門 「お金」の不安を安心に変える法則 』です。
【はじめに】
これまで60年間以上、私が世界中の投資家たちとともに働き、機関投資家やファミリーオフィス、政府機関などに、投資方針やその実践についてアドバイスする機会を得られたのは本当に幸いなことだ。
イェール大学投資委員会の議長を長年務めていた際には、世界有数の投資のプロであるデビッド・スウェンセンの才能を間近で見ることもできた。ハーバード大学とイェール大学の上級運用理論コースで教鞭をとったことも楽しい思い出だ。しかし私にとって最大の喜びは、一般の個人投資家の方々の投資判断のお手伝いができたことだ。
インデックスファンドの意義をいち早く見出し、その活用を広く社会に勧めてきた私は、近年ますますインデックスファンドへの信頼を深めている。本書の柱となるのも、この考え方だ。
最近では、「投資を成功させるための基本原則」を次の9項目に整理することができた。
2.できるだけ若いうちに「節約」と「貯蓄」を始めよう。
3.株式市場の劇的な構造変化(機関投資家が株式市場に占める割合の増加など)により、アクティブマネジャーが長期的に市場に勝ち続けることは難しくなった。
4.主な投資先として、手数料や税金などのコストが低く、長期的に優れた運用成績が得られる、広く分散された「インデックスファンド」と「ETF」を選ぼう。
5.行動経済学者も指摘する、市場の短期的な動きに振り回されるような行動を避けよう。
6.市場平均に勝つことは容易ではない。手数料などのコストや税金は最小限に抑えよう。
7.将来の年金給付と持ち家の現在価値を含めた資産の全体像を把握しよう。そうすれば「債券と同等の資産」を十分保有していることがわかり、債券比率を減らすことができる。
8.過去数年の平均支出を反映した適切な支出ルールを定めれば、準備資産としての債券を減らすことができる。
9.公的年金の受給開始時期をできるだけ遅らせ、定年後も長く働き続けよう。
このうちどれか1つでも実行できればよいが、すべてを継続的にできればそれに越したことはない。この小さな本では、ここに挙げた各項目について簡潔に説明する。
本書が皆さんの長期投資の成功に役立つことを願ってやまない。
【目次】


