その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は戸田久実さんの 『アンガーマネジメント』 です。
【はじめに】
「パワハラを意識しすぎて叱れない」
「価値観の違う相手とのコミュニケーションでイライラしてしまう」
「どうすれば職場の心理的安全性を高められるのか」
そのような悩みを抱えていませんか?
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで開発された、怒りと上手に付き合うための心理トレーニングです。決して怒ってはいけないということではなく、怒りで後悔しないことを目指しています。たとえば、「あのとき怒らなければよかった」「あのとき怒っておけばよかった」という後悔をしないこと。そのために、怒る必要のあることとないことを見極め、適切な怒り方ができることを目指す―それが、アンガーマネジメントです。
日本では、2011年に日本アンガーマネジメント協会が設立されました。これまでに約100万人以上の人が受講し、導入している企業は約2000社に及びます。
わたし自身は、企業研修の講師業をはじめて28年目になり、講演も含めてのべ22万人にコミュニケーションの秘訣をお伝えしてきました。2020年6月のパワハラ防止法の施行を前にアンガーマネジメントをテーマにした研修が激増しており、受講してくださった多くの方から、「パワハラ防止につながった」「個人・組織のパフォーマンス向上につながった」「職場内のコミュニケーション問題がほぼ解決した」という声をいただいています。
怒りをうまく扱えるようになると、人生が変わります。本書では怒りに巻き込まれたときの対処法に触れているのも特徴です。
マネジメント層の方も、中間管理職の方も、新人の方も、本書がコミュニケーションに悩むすべての方々のお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません。
2020年3月 戸田 久実
【目次】