その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は柳谷智宣さんの『 柳谷智宣の超ChatGPT時短術 今日から仕事で使える実践35テク 』です。

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【はじめに】

社会に大きな変化をもたらす第4次AIブームが到来した

 AI(人工知能)ブームは今まで何度も起きてきました。古くは1950年代の第1次AIブーム、1980年ごろの第2次AIブーム、そして2000年代初頭から今まで続く第3次AIブームです。第3次AIブームではビッグデータを学習するマシンラーニングが登場し、画像認識や音声認識、自然言語処理などの分野で驚異的な成果が得られるようになりました。すでに様々なサービスやプロダクトにAIが搭載され、活用されており、我々の生活に欠かせないものとなっています。

 しかし、2022年から注目を集めている新しいAIの潮流「生成AI」は世界をさらに大きく変える桁違いの代物です。テキストを生成するAIの根幹を成す「大規模言語モデル」という技術自体は数年前からありましたが、ChatGPT(チャットジーピーティー)登場のインパクトはすさまじいものでした。大規模言語モデルをチューニングしてチャットサービスとして無料で利用できるようにし、その真価を誰もが分かるようにしたからです。

 「AIに仕事を奪われる」などという意見はこれまで失笑されてきましたが、ChatGPTをはじめとするテキストや画像、音楽、動画といったコンテンツを生成する生成AIは多くのホワイトカラーの仕事を奪う可能性を秘めています。とりわけ著者のような職業ライターが甚大な影響を受けることは間違いありません。

 でも一度世に出た便利な技術がなくなることはありません。マイクロソフト(Microsoft)やグーグル(Google)、メタ(Meta)、アップル(Apple)、テスラ(Tesla)といったビッグテックはすでにAIの開発を強力に進めています。AIの学習と実行を加速する半導体を開発するエヌビディア(NVIDIA)の存在感も増しています。もちろん、ChatGPTを開発するオープンAI(OpenAI)の名も世界にとどろきました。

 ビジネスシーンでAIが活用される時代がすぐ近くまで迫っています。色々な規制や変化はありますが、AIはさらに社会に浸透していきます。そのときビジネスパーソンはどうすべきでしょうか。

 これまでにもエクセルが使えない、インターネットがわからない、スマートフォンを持ちたくないという人がいました。人は理解できないものを怖いと感じるからです。変わろうとしなかった人がどうなったかは周りを見ればわかると思います。AIがそれ以上のツールになることは間違いありません。であれば、AIを学ぶしかない。AIを知れば怖くなくなりますし、便利なツールとして活用できます。今のうちからChatGPTを触り、AIスキルを身に付けるのが唯一の対応手段です。

 ChatGPTをはじめ、AIにはまだまだ弱点があります。技術的に対応できても、社会の仕組みが追いついていないために実装できていない機能もあるでしょう。しかし、このようなさまつな問題は時間が経てば必ず解消します。

 忙しい時間を削って勉強するのはつらいものです。躊躇する気持ちは分かります。でも安心してください。ChatGPTは現段階のレベルでも、業務効率を大きく改善できるツールです。つまり、仕事で使い、時短を実現しながら、AIスキルを自分のものにできます。AIのために追加で勉強時間を確保する必要はありません。

ChatGPTをビジネスに活用して業務効率を向上させる7つのコツ

 著者は今、仕事をしている間は基本的にChatGPTを起動しっぱなしにしています。原稿そのものは書かせませんが、他のありとあらゆる作業をChatGPTにまかせています。じっくりと企画書を作成する際に使い込むし、ちょっと同音異義語が浮かばないときに使ったり、難しい概念を理解するときに説明してもらったりしています。

 頭を使わず、AIにまかせきりにするのはけしからんという意見はわかります。しかし、これまでも技術は人間が楽をするために発展してきました。車や電車が広まることで、運動不足になったかもしれません。ワープロの普及で漢字を思い出せなくなっているかもしれません。しかし、それ以上のメリットがあれば、皆が当たり前に使うようになります。

 使わない理由を探すことはやめて、まずは使ってみましょう。うまく使えないとフラストレーションが溜まり、「ChatGPTはバカだ」となってしまいます。本書では、すぐにビジネスで使えるプロンプトをたくさん紹介しています。まずは、まねして入力するところからチャレンジしてください。

 本書には著者が500時間以上AIを使い込み、便利さを追求したエッセンスを詰め込んでいます。その過程でChatGPTなどAIを使いこなすためのコツを7つ見いだしました。これだけわかっていれば、あなたもAIをスムーズに活用できます。

①AIが不得意なことはさせない
 AIは要約したり、続きを書いたり、たたき台を作るのが得意です。一方で、AIに正確さを求めたり、計算させたり、斬新なアイデアを期待するのは時期尚早です。賢そうに見えて肝心の所で賢くない。今のところは、ちょっと抜けているけど能力のある部下といったイメージを持つとよいでしょう。

②気持ちが進まない仕事こそAIに
 頭を使わない繰り返し作業や面倒な調べ物といった気持ちが進まない仕事はAIにまかせてしまいましょう。仕方がなく書かなければならない謝罪文などもChatGPTは代筆できます。その分、人間はよりクリエーティブな業務に集中し、アウトプットを増やしましょう。

③シンプルかつ分かりやすく
 AIへの指示はとにかくシンプルにわかりやすく書く必要があります。どんな出力を求めているのかを明確に書きましょう。AIにいい仕事をさせたいなら、リアルで部下に的確な指示を出すのと同じ能力が必要になります。AIともコミュニケーションが重要になるのです。

④前提情報を先に入力すべし
 企画書を作るなら、プレゼン相手は誰なのか、どんな要素を入れたいのか、わかる範囲の情報は先に入力しておく必要があります。出力に影響を与えない情報もあるかもしれませんが、不足しているよりましです。その際、###といった記号で区切るとChatGPTが理解しやすくなります。

⑤キャラや業務、役割を規定せよ
 AIの役割(ロール)を明示すると、よりよい結果が得られます。編集者として文章を添削してもらったり、コンサルタントになってアドバイスをもらったりしましょう。英会話の先生でもいいし、人事部長でも構いません。アニメキャラの口調にすることも可能です。

⑥AIにプロンプトを考えさせよ
 プロンプトを考えるのが面倒なら、AIに考えさせることもできます。その考えさせたプロンプトを入力すれば、望む出力を得られます。ChatGPTの使い方にタブーはありません。柔軟な発想でどんなことでもチャレンジしてみましょう。

⑦最終チェックは必ず自分の目で
 ChatGPTは素晴らしいツールですが、ミスをする可能性があります。対外的に提出するような成果物に、出力をそのままコピー&ペーストすることは避けましょう。必ず、自分の目でチェックし、問題がないことを確認してください。この作業はマストです。

 ぜひ、本書を活用し、ChatGPTの便利さに触れてください。AIスキルを身に付け、業務効率を改善し、これから来るビジネスの荒波を乗り越えて行きましょう。

2023年8月吉日 柳谷 智宣

【目次】

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