その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は丸山茂雄さんの『 黒子のリーダー論 丸山茂雄 私の履歴書 』。本書は「はじめに」がありませんので、「あとがき」を。
【あとがき】
この本は2022年7月の一カ月間、日本経済新聞の朝刊に30回にわたって連載した「私の履歴書」が土台になっています。あのときは限られた紙幅の都合で盛り込めなかった話や、その後、改めて考えたあれやこれやを書き加えました。ちょっと書きすぎたなあと感じ、連載時から軌道修正したところが少しあることもお伝えしておきます。
新聞連載の1回目、「立派な実績を上げた人が登場するのが『私の履歴書』。そうではない自分が引き受けるべきだったか、なお迷っている」と心情を明かした私ですが、こうして書籍にまでなってしまったわけです。「丸さん、どうなってるの? 結構、目立つのが好きなんじゃない?」などと気が置けない仲間から突っ込まれそうな気がします。日経の人たちに強く促されての出版です。ご了承ください。
連載がきっかけとなって、ずいぶん久しぶりだなあという友人知人から連絡をもらいました。連日、各回への感想文をしたためてハガキを送ってくださる読者もいました。好意的に受けとめてくださる方が多かったのはありがたいことです。もちろん、なかには連載を読んで「おや?」「むむむ」という思いを抱いた人もいるに違いありません。あくまで執筆の中身は私というフィルターを通してのものとご理解いただければ幸いです。
幸いと言えば、「私の履歴書」の主要な登場人物である久夛良木健さん、平井一夫さんとそれぞれ対談し、その様子を詳しく本書に収めることができました。お二人とも超がつくほど多忙な身です。顔と顔を合わせてじっくり話すのは何年ぶり、いや何十年ぶりだったでしょうか。
久夛良木さんとはプレイステーションの開発で、平井さんとはアメリカビジネスの運営で、ある時期とても近い距離にいて仕事をしていました。それでも改めて話してみると、「あのときは、そういう気持ちだったんだ」「へえ、そんなことをしていたの」と初めて知る事実、新たな発見がいくつもありました。いやあ、面白かった。
言うまでもありませんが、この二人に限らず、私の人生はさまざまな出会いで成り立っています。連載やこの本に名前を記すことができたのは、そのごくごく一部にすぎません。具体的には言及できなかった数多くのみなさんとの交わりが存在したからこそ、今日の私があります。愉快・痛快な出来事を少なからず経験できたのもそういう出会いのたまものです。
これまで「ねえ、丸さん」と声をかけ、つきあってくれたすべての人、そしてこの本の執筆を助けてくれた日本経済新聞社の村山恵一さん、編集を担当してくれた日経BPの赤木裕介さんにお礼を申し上げます。いま、この本を手にとってくださっているあなたにも感謝します。どうもありがとう。
2023年夏 丸山茂雄
【目次】






