その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日はデヴィッド・ビアンキさんの 『お父さんが教える 13歳からの金融入門』 です。
【まえがき】
ためしにどこかの高校で、いちばん頭のいい男子と女子を探して、おカネや投資や株式市場についていくつか質問してごらん。どのくらい知ってるかな?
たとえば、おカネの運用について。株式や債券の売り買いについて。通貨と為替(かわせ)レートについて。株価収益率(PER)について。いろいろなおカネの稼ぎ方について。クレジットカードとデビットカードについて。市場シェアと株式公開(IPO)について。複利について。株式のロングとショートについて。税金について。オプション(プットとコール)について。ファンドについて。住宅ローンについて。時価総額について。中央銀行と証券取引委員会について。企業分析についてはどうだろう? そのほかにも、たくさんある。
誓ってもいいけれど、ほとんどなにも知らないはずだ。
これからずっと先、成功していくために必要な金融のスキルを、学校ではなにも教えてくれない。学校以外のところで、それを全部学ばなければならないんだ。
なかには、前の世代が大人になってから知ったよりもたくさんのことを、高校生になるかならないかですべて本で読んで知り尽くしているような、いまどきの子もいる。だけど、そんな子どもたちだって、これからの50年間おカネを稼ぎ、使い、投資するための金融スキルを持ち合わせているのかな? だれがそれを教えてくれるんだろう?
ぼくが知るかぎり、だれも教えていないようだし、調査からもそれは明らかだ。
おカネの話は、退屈でもなければ、気後れするようなものでもないし、すごく複雑ってわけでもない。知っておくべき基本原則は単純だし、わかりやすいイラストつきなら、どこの国の若い人たちだって、おカネや投資や株式市場のすべてが理解できるはずなんだ。
それに実は、親のほうにも学ぶことはたくさんある。表向きはこの本を子どものために買うことにして、こっそりと自分で読む親もいるかもしれないね。大人だって金融のことをあんまり知らないんだから。
この本は、13歳になる息子のトレントに、おカネと投資の基本を教えてあげるために何ページか書こうと思ったのがきっかけだった。10ページくらいのつもりでいたら、こんな本ができあがった。トレントのいとこで、高校生のカイルが、100のトピックについて、165枚ものイラストを描いてくれた。この100のトピックは、トレントにちょうどいいと思って選んだものだ。
それでは、行ってみよう。おカネと投資と株式市場の世界への旅に、いざ出発だ。
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