その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は竹川美奈子さんの『 大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術 』です。

【はじめに】
NISAを活用して資産形成の旅に出よう!

◆税制優遇のある制度を優先的に使いたい!

 本書は2024年からスタートする新しい「NISA(ニーサ)」について解説した本です。NISAというのは少額投資非課税制度のこと。英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルとしているため、その日本版ということでNISAという愛称が付けられています。

 2023年3月末現在、日本には3つのNISAがあります。日本に住む、18歳以上の成人が利用できるのが一般NISAとつみたてNISA(積立型の少額投資非課税制度)。そして、18歳未満の未成年者が利用できるのがジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)です。

 一般NISAについては2024年から2階建ての複雑な制度に衣替えする予定でしたが、こちらは全面撤回されました。そして、これまでの制度(3つのNISA)とは切り離して、2024年からは新たなNISA制度がスタートします(図表0‒1)。

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 NISAについておさらいしましょう。通常、課税口座で上場株式や投資信託などに投資した場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。それに対して、NISA口座という非課税の口座内で、毎年一定金額の範囲内で株式や投信などを購入すると、受け取る配当金や普通分配金、売却したときの利益などが非課税になります。つまり、利益に対して税金がかからない制度です。

 例えば、投信を解約して100万円の利益が出たとします。特定口座などの課税口座で取引をすると、利益100万円から20%にあたる20万円の税金が差し引かれて、手元に入るのは80万円になってしまいます(ここではわかりやすくするために復興特別所得税は考慮していません)。この20%の税金がかからずに、株式や投信の値上がり益や配当、普通分配金などが非課税になるのがNISA口座です。NISA口座での取引であれば利益に対して税金がかかりませんから、このケースでは100万円をまるまる受け取ることができます。

 利益が出たときや、配当金を受け取るときに約20%の税金が差し引かれるかどうかによって、手取り金額に大きな差が出ます。NISA口座は非課税なわけですから、投資をするなら優先的に活用したほうがおトクです。長期的な資産形成・資産活用を考えている人は、かしこく使っていきましょう。

◆2024年に大改正! NISAは恒久化・上限引き上げ

 詳しくは第1章で解説しますが、NISAはとても使いやすくなります。図表0‒2に新制度の概要をまとめましたが、制度は恒久化されてずっと利用できるようになりますし、非課税で運用できる期間も無期限化、つまりNISA口座内で投信や株式などを買うとずっと非課税で運用できます。

 また、つみたてNISAを引き継ぐかたちの「つみたて投資枠」と一般NISAをほぼ受け継ぐかたちの「成長投資枠」の2つが同じ年にいっしょに使えるようになるので、1年に投資できる金額の上限は360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)に大幅アップ。一生涯で投資できる枠は1800万円までとされました。

 もはや「少額」投資非課税制度とは言えないくらいの拡充です。多くの人にとって、資産形成を行うのに十分な金額だと思います。せっかくなら制度を理解して、活用したいところです。

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 本書では、2024年からスタートする「新しいNISA」について、しくみや対象となる商品、活用法から留意点までポイントをわかりやすく解説します。初心者でもわかりやすい表現を心がけました。また新しく始める人だけでなく、すでにつみたてNISAや一般NISAを利用している人はどうしたらよいのか、といった点についても丁寧に説明しています。

 第1章「2024年スタートの新しいNISAってどんな制度?」では、2024年からスタートする新しいNISAの基本的なしくみを説明しています。

 第2章「NISAをどう活用すればよいか」では、基本的なしくみを押さえつつ、NISAをどう活用していけばよいかを事例を交えつつ解説します。NISAは拡充されてよい制度になりましたが、どう使いこなすかは自分次第です。自分なりの資産設計を考える上でのヒントになるとうれしいです。

 第3章「Q&A 丸わかり! 新しいNISA」では、セミナーなどを通してよく頂戴するさまざまな疑問に対する答えをまとめました。「始める」から「続ける」「取り崩す」まで、幅広い質問にお答えしています。

 第4章「どうなる? これまでのNISA」では、すでにつみたてNISAや一般NISA、そしてジュニアNISAを利用している人はどうなるのか、どう対応したらよいのかについてまとめました。

 すでにいずれかのNISAを利用している場合には、第4章から先にお読みいただいてもよいですし、これから始める人は最初から順番に読み進めてもよいでしょう。せっかくなら、疑問点を解消し、有効に活用したいものです。

 これからNISAを利用して投資を始めたいと思っている方、すでにNISAを利用して投資をしている方、そして、相談業務を行うアドバイザーの方などにも役立つ内容だと思います。本書がみなさまの資産形成・活用の一助になれば幸いです。

 さあ、NISAを活用して資産形成の旅に出発しましょう!

2023年4月  竹川美奈子


【目次】

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