その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は広瀬安彦さんの『 ビジネスのための調査・リサーチ入門 』(日経文庫)です。
【はじめに】
本書をお手に取っていただき有難うございます。
私はこれまでに何度か本を書く機会を頂いていますが、いつも「一歩だけ早くその世界に足を踏み入れた者ならでは」の、「使い勝手のよい手書きの見取り図」の書き手でありたいと思っています。
ご存じの通り、世の中に出回っている本の多くは、明確な定義や他との境界などがないものを、どうにかして理解してもらい、読者が直面する問題の解決に役立ててもらおうとするものです。
そして調査・リサーチは、そのような本のテーマとして、これ以上ないものだと思っています。
本書は、ビジネスの世界における調査・リサーチについての「解説パート」と、筆者が実際に経験したリサーチプロジェクトの内容をもとにした「物語(小説)パート」が、交互に登場する構成にしています。これにより、調査・リサーチの実務を、よりリアルに感じていただけるようになると考えております。
第1章では、リサーチと調査という言葉を独自に定義し、質的調査の代表的な方法であるインタビュー調査と、量的調査の代表的な方法であるアンケート調査の違いと、それぞれの特性を明確にすることで、どのような場合に、どちらの調査方法を選ぶべきかを明らかにしています。
第2章では、質的調査の代表的な方法であるインタビュー調査の解説と、実際のリサーチプロジェクトにおいて、どのように調査が進められていくのかを描いています。
第3章では、量的調査の代表的な方法であるアンケート調査の解説と、実際のリサーチプロジェクトにおいて、どのように調査が進められていくのかを描いています。
第4章では、実際にビジネスの世界において、リサーチプロジェクトを円滑に進めていくために、忘れてはならない10のポイントを提示しています。
本書を書き終えて思うのは、本を執筆する仕事は、「旅」に似ているということです。十分に計画して目的地を訪れたつもりでも、思わぬアクシデントや発見があり、思いもよらない場所に立ち寄ることにもなりました。
そして、旅の終着地で胸に去来したのは、本書を書き上げるために、どれだけ多くの方々に、どれだけ多くのものを与えられてきたのか、という実感と、それに伴う感謝でした。
そのようにして出来上がった本書が、調査・リサーチという旅の入り口に立つみなさまの、使い勝手のよい見取り図になることを祈っております。
2024年10月
野村総合研究所
広瀬安彦
【目次】




