その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は臼井由妃さんの『 やりたいことを全部やる!時間術 』です。

【はじめに】◎時間を支配して、やりたいことを全部やる

 「時間がないから、新しいことにチャレンジする余裕がない」
 「時間がないから、ゆっくりとくつろげない」
 「時間がないから、好きな趣味を楽しむことができない」
 「時間がないから、人づき合いが疎(おろそ)かになる」

 このように「時間がない」という理由で仕事やプライベートが思うようにならず、悩まれている方は世の中に大勢いらっしゃいます。そして、時間さえあればもっとやりたいことができるのに、とおっしゃる方も多いもの。
 しかし、こうした考え方に私は違和感を覚えます。この方たちは本当に時間がないから、やりたいことができないのでしょうか。
 私は、「時間がないから、○○できない」というのは言い訳に過ぎないと思うのです。

 なぜなら、世の中には、人一倍多くの仕事に積極的に取り組み、人一倍プライベートでも多彩な趣味を楽しみ、人一倍人づき合いを大切にしている方が数多くいるからです。私の周囲にもこうした方は多く存在します。
 この方たちにももちろん、1日は24時間という同じ条件しか与えられていません。それなのにどうして、いろいろなことができるのでしょう。
 私は、前者の方々を時間貧乏、後者の方々を時間リッチと呼んでいますが、この差はどこにあるのでしょうか。

どんなに忙しくてもやりたいことは全部やる!

 実は私も、かつては時間貧乏でした。
 33歳のときに、それまで専業主婦だった私が、病気の主人に代わり、突如社長を任されることになったのですが、当時はビジネスの右も左もわからぬ素人でした。
 とりあえず目の前にある会社の借金を何とかしなくてはいけない。刻一刻と増え続ける利息を支払うために、金融機関と会社を往復し、新商品の開発や新規営業にかけずり回る。
 まさに時間に追われる日々を送っていました。
 「時間がない」が口グセで、本当にやりたいことすら、見出せない。苦痛の日々を過ごしていました。「忙しい」という漢字は「心」を「亡くす」と書きますが、そんな状況で「時間貧乏の典型」でした。

 そんな生活が3年ほど続いた頃、運よく私が発明した商品が大ヒットしました。そして社長業の忙しさが最高潮に達したとき、私にはどうしても挑戦したいことができました。それは、仕事に関連する資格の取得です。
 動機は2つ。
 1つは、健康器具を販売する自社の今後の商品開発に役立つから。もう1つは、世間から「素人のまぐれ当たり」といわれるのを見返したかったからです。
 もっとも、商品が売れるほど社長業が忙しくなりますから、勉強をする時間なんてとれません。「時間がないから資格取得の勉強なんてできない」という状態です。でも私は、どうしても資格を取得したかった。
 だから「やればできる!」と決意し、何とか時間をやりくりしました。そして短期間で目標の資格を取得することができました。

 もちろんこの間、本業に悪影響を及ぼすようなことは一切ありませんでした。むしろ年商を2桁成長させたくらいです。

 人が何かをやりたいとき、時間がそれを拒絶することはない。

 私はそのことを、痛切に実感しました。

時間を支配できると、ゆとりとお金がついてくる

 私はその後も社長業の傍ら、宅建、行政書士と、次々にビジネス系の資格を取得し、その間、テレビや雑誌の取材も多く受けるようになりました。書籍の執筆は年数冊のペースで引き受けるようになり、経営コンサルタントや講演、セミナーの講師と、仕事の幅も広がっていきました。
 そんなにやることが増えたらさぞ忙しくて毎日が大変だろう。ゆとりのない、睡眠不足の日々を過ごしているだろう。遊びも我慢してあくせくしているだろう。
 そんな時間貧乏の私を想像された方――とんでもない、まったくそんなことはありません。

 毎日しっかり7時間の睡眠をとり、心身共にリフレッシュする時間も十分あります。新しく趣味や習い事も始め、心躍る毎日を過ごしています。
 もちろん本業もしっかりやっています。ビジネスの世界に飛び込んで以来、ずっと健康で仕事の依頼が途切れたことはありません。スケジュール帳には3年先まで予定が詰まっています。

 やりたいことが全部できて、心とお金のゆとりもついてくる。

 ちょっと自慢めいた話で恐縮ですが、これが今の私なのです。

 どうしてそんなことが可能なのか?
 いったいどうすればいいのか?

 その答えが、本書にはあります。

 本書は、時間術、仕事術の先駆的一冊とご評価いただき、多くの方に読んでいただいた『1週間は金曜日から始めなさい』を時代に合わせて大幅に加筆し、再構成。いつも手元に置いて読んでいただけるように、文庫化したものです。

 今、私はスマホやSNS、メールなどデジタルツールの普及で「時間貧乏」が増えている風潮に、危機感を抱いています。
 そんな中でも、あなたにはやりたいことが全部できて、心とお金にゆとりがついてくる「時間リッチ」になってほしいのです。

 やりたいことを全部やる!
 やりたいことが全部できる!

 年月を経ても、その本質に変わりはありません。

 本書でご紹介するのは、私が自らの体験から学び、今も実践している時間の使い方です。いずれも難しいノウハウではありません。学校では赤点だらけ、30歳を過ぎるまでビジネス書を1冊も読んだことがなかった私にもできるのですから、皆さんにできないはずがありません。

 本書を読んで皆さんが「時間貧乏の生活」から抜け出し、少しでも「時間リッチ」に近づかれることを願ってやみません。

2018年9月
臼井 由妃


【目次】

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