生成AIが急速に、職場に、教育現場に浸透している。確かに便利な道具だが、使い方を誤ると、成長のための学びの機会が失われてしまう生成AI。その子育てにおける使い方を解説した新刊『 「考える力」と「好奇心」をぐんぐん伸ばす AI×学び入門 』(安井政樹著、日経BP)の魅力と読みどころを、東京学芸大学附属小金井小学校教諭で自らもICTを活用したインクルーシブ教育に携わる鈴木秀樹氏が解説する。
AIの教育利用が進んでいます。私も各地の学校でAIを活用した授業を見せていただくことが度々ありますが、毎回、思うのは「結局はAIに詳しいかどうかではなく、その先生の授業力と学級経営力が効くのだな」ということです。
本書は、「AIと子どもをどうつなげばよいのか」という悩みを抱えているであろう子育て中の保護者に向けて書かれたものですが、読み進めていくうちに「結局はAIに詳しいかどうかではなく、普段からちゃんと子育てしているかどうかが効くのだな」という思いを抱くことになるでしょう。しかし、著者は徹底して保護者に寄り添います。
「AIの登場は、これまでよい親として温かい家庭を築いてこられた方だけでなく、『もう少し子どもといい関係を築きたい』と願っている方にも新たなチャンスです」
そう、この本は保護者が「AIの登場」というチャンスをつかむための本です。豊富な言葉がけの例は、そのための格好の手助けとなるでしょう。
そして、この本は「保護者向け」の体裁を取ってはいますが、教育関係者にこそ読んでほしい本です。なぜなら教室で日々子どもたちと向き合っている先生方も、保護者同様に「AIと子どもをどうつなげばよいのか」という悩みを抱えている場合が多いでしょうから。
そうした先生方にとって、道徳教育を長く研究してきた筆者の論は極めて納得のいくものだろうと思います。この本を読んでヒントを得た方は、早くAIを活用した授業をしたくなるでしょう。
