2022年10月27日、書店・出版社・取次など出版界が一丸となった新たな取り組み「 秋の読書推進月間(本との新しい出会い、はじまる。BOOK MEETS NEXT) 」が、全国の書店でいっせいにスタートする。1947年から続く「読書週間」、2018年認定の「本の日」、各地の読書推進活動と連携し、業界団体の枠を超えた初めてのキャンペーンとなる。今回は立ち上げの中心団体であるJPIC(出版文化産業振興財団)特別委員会委員長で「本の日」の店頭活性化委員会委員長でもある、ブックエースの奥野康作社長にお話を伺った。

「秋の読書推進月間」(本との新しい出会い、はじまる。BOOK MEETS NEXT )が、10月27日から全国の書店で始まる
「秋の読書推進月間」(本との新しい出会い、はじまる。BOOK MEETS NEXT )が、10月27日から全国の書店で始まる
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業界が一つになり本との出会いを創出

いよいよ「秋の読書推進月間」(10月27日~11月23日)が始まりますね。期間中の11月1日は「本の日」ですが、なぜつくられたのか教えてください。

 読書の推進キャンペーンは毎年秋に行われていますが、各団体や書店などが個別にいろいろな活動を行うなかで、何か業界全体が一つにまとまることができる日があったほうがいいのではないか、業界としてシンボリックな日を設けたほうがいいのではないか、ということがありました。そこで、読書推進の期間中である11月1日が「111」と本が並んでいるように見えるので、この日を記念日に制定して、皆さんに本の記念日なんだということを知ってもらい、業界全体として読書推進の活性化のために活動するきっかけになれば、というのが始まりです。2017年に日本記念日協会に申請をして、2018年に認定されました。

「初めて出版業界が一つになって立ち上がったのは、とても大きなこと」と語る奥野さん。まだまだ全体でやれることはたくさんあるという
「初めて出版業界が一つになって立ち上がったのは、とても大きなこと」と語る奥野さん。まだまだ全体でやれることはたくさんあるという
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 2018年からは「本の日」のプロジェクト活動が小規模ながら行われて、日書連(日本書店商業組合連合会)さんと一緒に「本の日」の実行委員会を設立したり、今年はJPIC(出版文化産業振興財団)を事務局に「秋の読書推進月間」を開催したりと、毎年毎年、業界として大きな取り組みとなってきているので、いい流れだなと思っています。

奥野社長のお立場を教えていただけますか。

 私は「本の日」実行委員会の店頭活性化の委員長をしています。そして今年からJPICを中心に「秋の読書推進月間」が立ち上がりまして、その特別委員会の委員長をしていますので、その2つにかかわっています。

 毎年秋に読書推進週間があっても、これまでは業界として一致団結して取り組んでいる状況ではありませんでした。そんななかで2018年に「本の日」を制定して業界全体での取り組みが始まり、今年は初めて「読書週間」(読書推進運動協議会主催・10月27日~11月9日)と11月1日の「本の日」の推進活動を包括する期間として、「秋の読書推進月間」がつくられました。

参加する書店は、どのくらいあるのでしょうか。

 全国の書店が対象となるので、現在だと8000店舗くらいでしょうか。私たちがキャンペーンなどを準備するので、個々の書店さんには、それをきっかけにお客様にご来店いただけるように、いろいろとPRをしていただきたいと思っています。以前からの読書推進活動も全国の書店が対象だったのですが、なかなか全国的な取り組みにはなっていない状況でしたので、今年は期間を長くして、全国の書店や出版社が取り組みやすいようにしました。

全国の書店、出版社がイベントを開催

期間中に行われるキャンペーンやイベントについて教えてください。

 まず、オープニングイベントとして10月27日、直木賞作家である今村翔吾さんの講演「本の旅」、童話作家の角野栄子さんと女優・作家の中江有里さんによる対談「出会い」を新宿の紀伊國屋ホールで行います。申し込みをされた方先着300名を無料で招待します。

オープニングイベントでは今村翔吾さんの講演、角野栄子さんと中江有里さんの対談を開催。豪華ゲストを迎え、ご自身の読書体験や本の魅力を伝えていただく
オープニングイベントでは今村翔吾さんの講演、角野栄子さんと中江有里さんの対談を開催。豪華ゲストを迎え、ご自身の読書体験や本の魅力を伝えていただく
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 店頭にお越しいただくお客様に向けたキャンペーンには大きく3つありまして、まず書店へ足を運んでいただくために「BOOKスタンプラリー」を行います。店頭へ来ていただくとポスターが掲示されているので、そこにあるQRコードを読み込むとキャラクターが1つ獲得でき、期間中に5つためると、本をテーマにしたホテル「箱根本箱」のペア宿泊券など、本に関するプレミアムな体験が当たる抽選会に応募することができます。

 2つ目は「 秋の読者還元祭2022 」。期間中に書店の店頭掲示ポスターや店頭配布の「名画しおり」に掲載のQRコードから応募サイトにアクセスしていただくと、抽選で合計2200名、総額500万円の「図書カードネットギフト」が当たります。

 3つ目は、「ハッシュタグキャンペーン」。期間中にツイッターやインスタグラムなどSNSで「#本との出会い」を付けて発信していただけると、投稿いただいたなかから優秀作品の方に「図書カードネットギフト」をプレゼントします。

「個々の書店ではトークイベントや読み聞かせなどの企画が多数開催されるので、ぜひお近くの書店に足を運んでいただきたいです」
「個々の書店ではトークイベントや読み聞かせなどの企画が多数開催されるので、ぜひお近くの書店に足を運んでいただきたいです」
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 出版社がやられている個々のイベントやキャンペーンもいろいろあります。ポプラ社さんでは、大ロングセラーで文庫化もされている『かがみの孤城』(辻村深月著)が映画化(2022年12月公開予定)されるにあたってフェアを行い、NFT(非代替性トークン)カードを集める店頭イベントも開催します。

 双葉社さんでは、湊かなえさんの『告白』の文庫300万部突破を記念して、「 店頭飾り付けコンクール 」を行います。『告白限定特装版』の予約キャンペーンを行い、湊かなえ作品を店頭で展開、飾り付けをしていただきます。そのなかから湊さんが選んだ6店舗で、来春の発売に合わせ、湊さんのサイン会を実施するというものです。

 全国の書店でも、作家の先生を呼んでトークイベントを行うなど、さまざまな企画があります( 全国の書店の「本の日」イベントはこちら! )。皆さんには、ぜひこの機会に、書店にお越しいただけると幸いです。

取材・文/武安美雪 写真(人)/尾関祐治