3月8日は国際女性デー。日経BOOKプラスでは、日経xwoman(クロスウーマン)編集長の片野温が選んだ「女性の働き方・生き方を考える『日経の本』7冊」を紹介します。マネジメント、キャリア、ライフ…といった幅広い分野から、読むと元気が出る、学びになる本を厳選しています。

1. なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか 小早川優子著

 リーダーになるって、どんな感じでしょう? なかなかイメージができなくて、打診があっても「自分にはムリ」と思ってしまう人も多いでしょう。この本のページをめくると、「自信がないことは悪いことではない。今後の社会においては大きな強みにもなる」という著者のメッセージが胸に響きます。

 今、社会の価値観は変化していて、仕事の進め方でも「論破」ではなく、「相互理解」や「相互尊重」がイノベーションにつながるというようなことがいわれていますよね。「強気の交渉は不得意だけれど、相手の気持ちを考えたり周囲に気を配ったりすることはできる」「自分に自信がないから、同じように感じているチームメンバーをサポートできる」といったように、自分の強みを組織の中で発揮していく方法を、この本から学ぶことができます。

2. いつも結果を出す管理職が必ずやっている80のこと 市原義文著

 この春、管理職になるという人はもちろん、すでに管理職だけど、まだ自信が持てていないという人にも読んでほしい1冊。マネジメント経験の豊富な著者が、管理職の仕事における大切な考え方や姿勢、「これをやっておけば大丈夫」というやるべきことを80項目挙げて解説しています。

 管理職になってから前任者や上司に何をどうすればいいか質問したところ、「自分で考えることが大事」と突き放された経験を持つ人もいるのでは。本書には、こんなことまで教えてもらえるの? というほど具体的なシチュエーションと解説が詰まっていて、私も管理職になりたての頃にこの本と出合っていたら助かった場面がたくさんあっただろうなと思いました。

 とはいえ、「やるべきことが80項目もあるって多くない?!」という方には、「最低限すべき3つのこと」のページから読むことをおすすめします。

3. 昼スナックママが教える 45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気 木下 紫乃著

 著者の紫乃ママは、自らもさまざまなキャリアを経験したのち、40~50代のキャリアの再構築を支援する活動をしながら、「スナックひきだし」で会社員から社長、子連れの主婦まで、キャリアに悩む人々の本音を聞いてきたキャリア支援のプロ。

 「肩書迷子」なフリーランス44歳、マミートラックから抜け出せない48歳、言われたことだけを真面目にやってきた45歳、組織から「降りる練習」を始めた52歳……。紫乃ママの昼スナックへ来店した10人のストーリーを読めば、自分の中の迷いがいい感じで整理され、そっと背中を押してもらえたような清涼感が残ります。

 「あなたの恥ずかしい人生は、誰かの背中を押すかもしれない」「正しい選択、正しくない選択なんてない。やめた選択を自分で『正解』にしていくしかない」などなど、胸に刺さる金言が満載です。

4. 心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには 高尾美穂著

 産婦人科医としてさまざまな女性たちの悩みに向き合ってきた高尾美穂さんが、「人生とキャリアの歩み方」「コミュニケーションについて」「女性の体のこと」など幅広いテーマにわたって、医師の視点や自身の経験を交えながらアドバイスします。

 すぐに試せそうな実用的なヒントも詰まっていて、今自分が気になっているページからまずは読んでみるといいと思います。読み進めるうちに、どんどん周りの章や項目も気になって、一気に読んでしまうんですけどね。

 壁にぶつかっているという人におすすめしたい、「私は私」と自信が湧いてくる1冊です。

5. リーン・イン 女性、仕事、リーダーへの意欲 シェリル・サンドバーグ著、川本裕子序文、村井章子訳

 女性のキャリアや生き方を考えるとき、改めて読みたいのが本書です。著者は、当時、フェイスブックでCOOとして活躍していたシェリル・サンドバーグ。全世界で150万部を突破し、大きな反響を呼びました。葛藤しながらも、自分の目標に向けて一歩踏み出そうとする多くの女性たちを勇気づけた1冊です。

 日本では2013年に出版。2013年といえば、子どもを保育園に預けて働く共働き世帯が増えて保育園不足が注目され始めたころで、私もご多分に漏れず、「待機児童」という壁に直面していました。

 あれから10年の時がたち、働く女性を取り巻く環境は前進しているといえますが、改革がまだまだ進んでいないこともたくさんありますよね。そうした女性の前に立ちはだかる壁や社会構造の問題が、著者自身の経験や客観的なデータを交えながら言語化されているので、頭が整理されます。

6. 幸せなチームが結果を出す ウェルビーイング・マネジメント7か条 及川美紀、前野マドカ著

 日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2024」の受賞者の一人が、ポーラのビューティーディレクターの堀野智子さん(100歳)。カウンセリングやエステを行う美容販売員を61年間続け、「元気の秘訣は?」とインタビューで聞かれて「仕事を続けていること」と答えたのが印象的でした。

 ポーラショップのチームマネジメントやリーダーの行動を分析し、「幸せなチームづくり7か条」を紹介する本書。著者は、ポーラで幸せ研究所を立ち上げ、「幸せを経営の根幹に」据えた同社社長の及川美紀さんと幸せ研究の第一人者でもある前野マドカさん。

 ふんわりとゆるいだけの幸せではなく、メンバーが幸福感を持ちつつ意欲的に働き、成果も出せるチーム構築に必要なことや、リーダーが日々行っているケーススタディのページはとても参考になります。「リーダーは誰よりも先に、自分自身を幸せな状態に整える必要がある」などハッとする気づきもありました。

7. THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント 日経WOMAN編

 韓国語の勉強にのめりこみ、公務員から翻訳者に転身した人の机、多忙な仕事の傍ら米国の大学院にオンライン通学した人の机、TOEIC960点で職を得て離婚し、自立を叶えた女性の机…などなど。さまざまな人生と勉強机をとにかく具体的に紹介する本書からは、人間が本来持っている「学びたい」という意欲やパワーがばんばん伝わってきます。

 過去に身に付けた思考をアップデートしたり、新しい世界に飛び込むために知識を習得したりすることは、仕事や人生において大切なことですよね。分かっちゃいるけど忙しい…とこれまで言い訳ばかりしてきた私ですが、皆さんの底力や変化に、「よ~し、私も!」と気持ちが盛り上がりました。効率的に勉強するためのノウハウや文具の活用法も参考になります。

文/片野温(日経xwoman編集長)