新年度が始まる4月。新しい環境の中で、初めて部下や後輩を持つ人も多いのではないでしょうか。自分の仕事に加えて人を育てる役割が加わると、戸惑うことも増えるかもしれません。どう接すればいいのか、どこまで任せるべきか迷う場面も。無理なく信頼関係を築きながら、相手の力を引き出したい。そんなときの指針となる本を5冊選びました。

内向的な人にこそ読んでほしい本

1. 『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている』大野栄一著

 初めて部下や後輩ができて、「実力を発揮できていないと感じている」「そもそも自分にはリーダーなんて向いていないと思っている」。そんなちょっと内向的な人にこそ読んでほしいのが、 『できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている』 です。

 多くのリーダー本は、「部下に対する接し方」「リーダーとしての仕事のさばき方」を指南しています。しかし、そんな数々のアドバイスを実践しても、「手応えを感じない」という人もいるかもしれません。

 そんな人に必要なのは、「リーダーとしてのレベルが1のまま忙しく手足ばかり動かすのをいったんやめて、“レベルそのもの”を上げていくこと」です。

 本書は、いいリーダーになるためには「1人の時間」が重要だと説きます。まず、「いいリーダー」の本質を見つめ直し、そのゴールを目指すための1人の時間の過ごし方を具体的に解説します。

    【主な内容】
  • 「1人でいるとき」にどう過ごすかが、「優れたリーダーかどうか」の分かれ道
  • [思考自由度]「思考の自由」を手に入れるための8つのポイント
  • [問いの力]思考力の原点「問う力」をつける7つのポイント
  • [喚起力]心に同じ「火」を灯した仲間をつくる8つのポイント
  • [構造デザイン力]大局的に考え変化を起こす力をつける6つのポイント
  • リーダーも組織も育つ「いい循環」は、1人のときにつくられる

なぜ、あの人はいつも「選ばれる」のか?

2. 『選ばれる人の100の習慣』井上 裕之著

 「初めてリーダーに選ばれた」と、不安に感じている人はいませんか? 私たちは日々、誰かに選ばれながら生きています。就職活動で選ばれる、パートナーとして選ばれる……。人生のあらゆる場面で、他者の判断を受けながら毎日を送っています。

 そして今、「選ばれた」ことに不安を抱いているなら、本書 『選ばれる人の100の習慣』 を読んでその意味を見つめ直してみてください。今は、インターネットやSNSの浸透により、「選ばれる」こと、「選び続けてもらう」ことの意味や基準が複雑になり、ますます予測しづらいものになってきています。誰もが情報と影響力を持てるようになった今、「その人の言葉や行動の本質が、本当に信頼できるのか」が改めて見極められています。

 これからも「選び続けてもらう」ために、本書で紹介する100の習慣を積み重ねていきましょう。それはあなた自身の価値を高める「生存戦略」にもつながります。

    【主な内容】
  • 自分を整える
  • 自分を磨く
  • 相手目線で動く
  • いい関係を築く
  • 選ばれる人になる
  • いないと困る人になる

部下や後輩と話がかみ合っていないと感じる人に

3. 『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』今井 むつみ著

 「部下や後輩と話がかみ合わない」「どうせ分かってもらえない」と我慢しているなら、読んでほしいのが 『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』

 「うまく伝わらない」という悩みの多くは、「言い方を工夫しましょう」「言い換えてみましょう」「分かってもらえるまで何度も繰り返し説明しましょう」では解決しません。それは、「心の読み方」が間違っているからだと、世界的な認知科学者の著者・今井むつみさんは解説します。

 人は、自分の都合がいいように、いかようにも誤解する生き物です。では、都合よく誤解されないためにどうするか? 自分の考えを“正しく伝える”方法は?

 「伝えること」「分かり合うこと」を真面目に考え、実践したい人のための1冊です。

    【主な内容】
  • 「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない
  • 「話してもわからない」「言っても伝わらない」とき、いったい何が起きているのか?
  • 「言えば→伝わる」「言われれば→理解できる」を実現するには?
  • 「伝わらない」「わかり合えない」を越えるコミュニケーションのとり方
  • コミュニケーションを通してビジネスの熟達者になるために

大事なことを「タイパ」よく知りたい人に

4. 『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』藤𠮷豊、小川真理子著

 本書 『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』 は、リーダーシップをテーマにした名著「100冊」のエッセンスを1冊にまとめたものです。

 「経営者、コンサルタント、評論家、ビジネスコーチ、研修講師など、さまざまな立場でチームづくりに関わる人たちが大切にしているコツを、重要なものから順に身につけてもらおう」「リーダーシップや組織の在り方について研究している大学教授や専門家が重要視していることを1冊にまとめてみよう」というコンセプトに従って作られています。

 そしてその名著100冊に書かれてあった共通のノウハウを洗い出し、ランキングにしてまとめました。

 「リーダーシップの本はたくさんあってどれを読んでいいか分からない」「どの方法が自分に合っているのか分からない」という人は、まず本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。業種や職種、年齢を問わず、「人をまとめる立場にあるすべての人」に役立つリーダーシップのヒントが満載です。

    【主な内容】
  • 100冊を集めてわかった本当に大切な「7つの基本ルール」ランキング 1~7位
  • 100冊がすすめるできるリーダー「13のポイント」ランキング 8~20位
  • 周囲の人を動かし、さらに実行力を高める「20のコツ」ランキング 21~40位
  • 「問題行動ばかりする人」に、リーダーはどう対処するべきか
  • それでも伝えなければならないときがある。叱り方の心得と作法
  • 「会議」「1on1」「コーチング」使い分けたい3つの対話

世の中には天才と秀才と凡人がいる

5. 『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』 北野 唯我 著

 職場におけるコミュニケーションの断絶を、才能という観点から鮮やかに斬った話題のベストセラー 『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』

 この本に書かれている物語の中には、「天才」と「秀才」と「凡人」の三人のプレーヤーが登場しますが、これは特定の誰かではなく、あなた自身の中にもいる三人です。この三人は殺し合ったり、時に助け合ったりしながら、普段、仕事をしています。

 本書では、才能を「ビジネスの世界で必要な三つ」に定義し、その才能を生かす方法を段階的に解き明かしていきます。

 「なぜ、凡人は天才を殺すことがあるのか」

 まず、この問いを解き明かすことにしましょう。これによって第一の才能である「創造性」の謎が解けていきます。

 本書を読み終わる頃には、「どうやって、自分の才能を段階的に高めるのか」「自分の才能を仕事で生かす、具体的な方法」のヒントが見つかるはずです。

    【主な内容】
  • 才能ってなんだろう
    凡人が天才を殺す理由/多数決は「天才を殺すナイフ」/大企業でイノベーションが起きない理由/紛糾する経営会議/天才が会社を去るとき/天才は見えないものが見える/広くて浅い反発vs.狭くて深い支持/共感を軸にした判断は「愚民政治」を招く/人類の最大の敵は「飽き」/天才はすでに飽きている/配られたカードで戦え
  • 相反する才能
    「最強の実行者」を巻き込む方法/異なる主語を持つ人たち/天才は物理で生き、秀才は法律で生きる/主語を変え、「最強の実行者」を巻き込む質問/秀才が天才に抱く「憧れと嫉妬」/社内の「サイレントキラー」を探せ
  • 武器を選び、戦え
    天才のダークサイド/共感の神=根回しおじさん/才能を「信じる力」/「自らの言葉」という最強の武器/他人の言葉をデトックスして、白状する/「僕らは」何をすべきなのか武器とストッパー/それぞれの人の中に天才がいる

構成・文/磯部麻衣