疲れがたまり、朝に目が覚めても体が重い。休みの日はゴロゴロしてばかりいる……。「休み下手」だと生産性も落ちるばかり。令和のビジネスパーソンに必要なのは、戦略的に休んで心身を整えるスキルです。現役医師にしてベンチャー経営者が、自身も実践する効果的な休息法をまとめた『休養ベスト100』(加藤浩晃著、日経BP)から一部を抜粋してお届けします。今回は、理由もないのにイライラしたり頭痛が起きたりするときの対処法について。

 自律神経のバランスが崩れると、イライラや頭痛をはじめとする不快な症状が現れやすくなります。そんなときには、自分なりの気持ちが落ち着く方法を見つけておくと、早めに症状を抑えてリラックスできます。

 ここでは、その場で誰もができる方法として、意識的に深呼吸する方法を紹介しましょう。

わけもないイライラは自律神経の乱れが原因かも

 心身にストレスがかかると、体内ではコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールには自律神経の交感神経を刺激して、身体活動を活発にする役割がありますが、過剰に分泌されると自律神経のバランスを崩してしまいます。

 そうなると、次のような症状が現れやすくなります。

  • イライラ
  • 頭痛
  • 不眠
  • 動悸、息切れ

 ひどくなると、抑うつ状態の原因にもなりえます。わけもなくイライラするときは、自律神経の乱れを疑ってみる必要があります。

 自律神経は、文字通り「自ら律する」神経であり、私たちが意識的にコントロールできない神経系です。しかし、直接コントロールはできないものの、少しのコツでバランスを整えることが可能です。

 中でも効果的なのが、意識的な深呼吸です。私が日常的に実践しているのは、仕事の合間などに行う「4-7-8呼吸法」です。

自律神経を整える「4-7-8呼吸法」

 「4-7-8呼吸法」は、アメリカの医師で東洋医学にも造詣が深いアンドルー・ワイル博士が考案したものです。

 基本的なやり方は、4秒かけて鼻から息を吸い、7秒止め、8秒かけて口からゆっくり吐き出すことです。

(イラスト=髙柳 浩太郎)
(イラスト=髙柳 浩太郎)

 深い呼吸によって副交感神経が優位な状態をつくり、心身をリラックスさせるとともに、睡眠の改善や集中力の向上にも効果をもたらします。

 「4秒」「7秒」「8秒」というのは、正確に時間を測るのではなく、自分で「1、2、3、4……」と数えます。

 具体的には、次のようなやり方です。

  1. 背筋を伸ばしてリラックスして座る
  2. 舌の先を上あごの前歯の裏側に軽く当てる
  3. 口を閉じて、1から4まで数えながら、鼻から静かに深く息を吸う
  4. 息を止め、1から7まで数えながら、そのままキープする
  5. 口を開け、1から8まで数えながら、ゆっくりと息を吐き出す。少し音を立てるように吐き出すと効果的

 ここで示した1から5までを、4回繰り返しましょう。

 数を数える速さは、自分のベースで構いません。慣れてきたら、徐々にゆっくりとしたペースにするようにしてください。

(写真:nekokawaodori/stock.adobe.com)
(写真:nekokawaodori/stock.adobe.com)

日経ビジネス電子版 2025年6月20日付の記事を転載]

“休むこと”は、立派な「投資」です。長時間働けば評価される時代ではなくなり、限られた時間で効率よく成果をあげることが求められています。20代であればムチャな働き方も可能かもしれませんが、30代、40代になると、上手に休むことでパフォーマンスを上げていかなければなりません。現役医師が実践し、多くのビジネスパーソンが効果を実感した休養を、余すことなく紹介します。

加藤 浩晃著/日経BP/1780円(税込み)