「頭がいい人とそれ以外の人の違い」について、偏差値35から東大合格した僕(西岡壱誠)が考える本連載、今回のテーマは「ケアレスミスの防止法」です。

 みなさん、「小さなミスをしてしまうことに対して、どうすればいいかわからない!」と感じる場面って多いのではないでしょうか?

 ケアレスなミスって、どんなに気をつけていてもなかなかなくならないですよね。メールに書き間違いがあったり、送る人を間違えたり、英語でスペルミスをしてしまったり、数学の計算ミスをしてしまったり……僕たちはいろんなタイミングでケアレスミスをして、後悔してしまいます。

 一体どうすれば、そういうミスをなくすことができるのか?

 その答えは、「言い訳をすること」にあります。

ケアレスミス撲滅には「言い訳」が必要

 「言い訳」、というと、おそらく多くの人が「ええ、言い訳?」「言い訳するのはよくないんじゃないの?」と考えてしまうと思いますが、受験漫画『ドラゴン桜』ではまったく逆に、「勝者の言い訳をしろ!」ということが語られています。

言い訳のきちんとできる人間こそ成功する

『ドラゴン桜』第15巻・138限目「言い訳をしろ!」©Norifusa Mita/Cork
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『ドラゴン桜』第15巻・138限目「言い訳をしろ!」©Norifusa Mita/Cork
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 数学でつまらない計算ミスをした矢島勇介は、「ミスをした理由」を問われて、「理由なんてあるわけないだろ」「失敗は潔く認めて後からグズグズ言わねえのが男ってもんだろ」と反論します。

 そんな矢島に「言い訳をしろ」と、桜木建二先生はいいます。「言い訳をきちんとできる人間こそが真の成功を収める…」のだと。

 桜木先生のいう「言い訳」とは、どういうことなのでしょう?

「敗者の言い訳」と「勝者の言い訳」

 漫画ではこの後、東大生の家庭教師、本田美智子先生が、桜木先生の真意を「敗者の言い訳」と「勝者の言い訳」という言葉を使って、矢島に説明します。

『ドラゴン桜』第15巻・139限目「たら・れば思考」©Norifusa Mita/Cork 202-209ページ
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「うっかりミス」は、逃げている証拠

 この漫画で語られている通り、言い訳には2種類あります。

 1つは、自分の身を守ることだけを考えて、問題に立ち向かうことから逃げている「敗者の言い訳」。

 もう1つは、失敗の原因を検証してその分析結果を次に生かす「勝者の言い訳」。

 頭のいい人がしている言い訳とは「勝者の言い訳」で、きちんと「次に同じミスをしないようにするためにはどうすればいいのか」を分析しているのです

 つまり、小さなミスをしたときに「うっかりミス」とか「不注意だった」とかそういうふうに考えるのではなく、何かはっきりとした理由があるはずだと考え、それを突き止め、しっかりと「次どうするのか」を考えるということですね。

 よく僕たちは、ミスをしてしまったときにそのミスから安易に逃げてしまいそうになります。

 僕も経験があるのですが、例えば、ミスをしたことで迷惑を掛けてしまった相手がいる場合は、とにかく「ごめんなさい」と謝って早く終わらせたいと願います。相手がいない自分だけの間違いの場合は、自分のなかでただ悲しんで、すぐに忘れようとして、実際、それで終わってしまう場合が多いです。

 ミスなんて忘れたいし、向き合いたくない。その気持ちは痛いほどよくわかります。

 ですがそうではなくて、小さなミスでもしっかりと向き合い、「次このミスをしないようにするためにはどうすればいいのか」を考えるということが必要なのです。

 それも、「もっと気をつける」とか「注意して何かをする」とか、そういうことではなく、もっと「仕組み」で解決できるようにならなければなりません。

「注意する」のではなく「防止する仕組み」

 例えばメールの間違いであれば、文面に間違いがないかを他の人に一度チェックしてもらってもいいですし、CCで違う社員をメールに入れておけば、送り先を間違えたときに指摘してもらえますよね。

 締め切りの日を勘違いしていたり、いつのまにか締め切りの日を過ぎていたり、なんていうミスもよくあると思います。こういうケースでは、誰かに前日にリマインドを頼んでおけばいいでしょう。英語の試験でスペルミスが多いなら、5分間はスペルミスのチェックに使えるように時間配分を工夫するというのはどうでしょう。また、字が汚いために、正しく回答できているのに、採点する人に読み間違えられてしまうというタイプの人ならば、特に問題になることが多い文字をあらかじめ特定し、認識しておくだけでもかなり改善すると思います。

 ちなみに僕の友達に東大最難関の理科3類に合格し、今は医学部に通っている人がいるのですが、彼も計算ミスを少なくするために自分のクセをしっかりと認識することが重要だと語っています。

 『ドラゴン桜』には「宇宙人」と評される大沢賢治のような、天性の頭のよさを持っている人が出てきます。でも、そんな大沢でも人並みに間違えることはあります。頭のいい人とそうでない人を分けるのは、間違えたことに対してしっかりと「傾向と対策」、つまりは「言い訳」を練っているかどうかです。

 「ミスする」こと自体は誰でもよくやってしまうことであり、それよりも「ミスに対してどのように考え、行動するか」のほうは重要だということです。

 ミスには必ず原因があります。そして「もう二度と同じミスはしないぞ!」という強烈な印象とセットで、「同じミスを繰り返さない方法論」を残しておかないと、結局またミスをしてしまうものです。そのために、言い訳を考えることは重要だということですね。

「ミス専用ノート」作成の勧め

 僕のお勧めの対策は、「自分のしたミスをまとめた専用ノートを作る」です。「ダメ集」と呼んでもいいでしょう。

 具体的には、次の3ステップで作り、活用するのがお勧めです。

STEP 1:そのまとめノートに「自分がミスした問題」と「答案」のコピーを貼り付けるなどして記録に残し、「どこで間違えたのか」を書いておきましょう。

STEP 2: その上で、間違えた原因を究明していき、書き残します。その際に、「ミスしたときの自分の感情」や「ミスをしてしまった自分への後悔」も書きつづっていく。

STEP 3:テストの前にこのノートを見直して、同じミスをしないようにする。

 例えば、「とても焦りながら問題を解いていたからミスをしてしまった」「bと6を読み違えてしまった」というふうにメモを残しておくと、次に試験を受けているとき、同じような感情・感覚になったり、似たような場面に遭遇したりしたときに、「あのミスをしたときと同じだ、気をつけよう」と思い出しやすくなり、ミスが減ります。

 「ミスをまとめた専用ノートを作るのなんて面倒だ」と思う方もいるかもしれません。そういう方はノートという形式にこだわる必要はありません。要するに、自分が過去にやってしまったミスを分析することで、「傾向と対策」を自分のなかに持てればいいのです。みなさんが自分に合っていると思う方法を探して進めるのが一番いいと思います。

 ですが、細かい方法はどうあれ、「ミスを記録し、自分の感情と結びつけて次のミスを防止する仕組みをつくり、実践する」ということを徹底しなければ、いつまでたってもミスは減らないものです。

 みなさんぜひ、「勝者の言い訳」をして頑張っていただければと思います!

(次回に続く)

日経ビジネス電子版 2021年10月22日付の記事を転載]

本連載を基にした新刊が好評発売中です。偏差値35から東大を目指し、合格した著者だからこそわかる、「頭がいい人と、そうでない人の違い」とは? 「分解力」「裏技力」「アップデート力」など20個の力に分けて、漫画『ドラゴン桜』を使って解説します。「頭のよさ」をつくるのは、思考と行動、心の習慣。だから、誰だって、いつからでも、頭をよくできる! そんなメッセージをこめて、解き明かします。

西岡壱誠(著)、日経BP、1760円(税込み)