電話口の「○○様に申し伝えていただけますか」「今日は直帰しますね」という話し方。ビジネス文書で「教えてください」「書類を受け取ってください」という表現。実はもっと適切な言い方があります。それは…。“敬語の達人”本郷陽二さんの著書『 決定版!大人の語彙力 敬語トレーニング125 』(日経ビジネス人文庫)から抜粋と3コママンガで紹介します。

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Q1 ビジネス文書、“大人”の表現は?

 次の言葉をビジネス文書用の言葉に書き換えてください。

(1)教えてください        ➡[          ]
(2)受け取ってください(書類など)➡[          ]
(3)頑張ってください       ➡[          ]
(4)決めてください        ➡[          ]
(5)連絡してください       ➡[          ]
(6)体を大切にしてください    ➡[          ]
(7)助けてください        ➡[          ]
(8)ごひいきにしてください    ➡[          ]

<答えと解説>

(1)ご教示ください
 「ご教示を賜りたく存じます」のようにも使える。

(2)ご査収ください
 「ご査収のほどよろしくお願い申し上げます」のように用いる。

(3)ご健闘をお祈りいたします
 「ご活躍をお祈りいたします」でもいい。

(4)ご決定いただけますか
 「ご決定ください」でもいい。

(5)ご一報ください
 「一報」とは、ちょっと知らせるという意味。「商品が到着次第、ご一報ください」などのように使う。

(6)ご自愛ください
 「自愛」とは自分を大切にすること。「ご自愛のほどお祈り申し上げます」のように用いる。

(7)ご助力いただければ幸いです
 お礼状では、「ご助力を賜りまして、誠にありがとうございます」のように表現する。

(8)ご愛顧ください
 「愛顧」とは目をかけ引き立てること。「日ごろよりご愛顧いただきありがとうございます」というように用いる。

Q2

 営業部のAさんは、外出先から自社に電話を入れました。お客様に電話をするときは言葉遣いに気をつけても、相手が社内の人間だと思うと少し気持ちがゆるむのか、ついつい次のような言葉が出てきがちです。それぞれの例文を、丁重な表現に直してください。

(1)あ、どうも。Aですけど…
    ➡[              ]
(2)僕あてに電話とかあった?
    ➡[              ]
(3)今日は直帰しますね
    ➡[              ]
(4)B社の商談がトラブったので、帰るのがちょっと遅くなります
    ➡[              ]

<答えと解説>

(1)Aです。お疲れさまです
 ビジネスシーンでは、「お疲れさまです」は、電話やメールの冒頭の定型句。「こんにちは」の挨拶のようにも使われる。ただし、取引先など社外の人には使わないほうがいい。

(2)私あてに連絡などが入っておりますでしょうか
 ビジネスで「僕」や「俺」「あたし」は不適切。必ず「私」を使う。また、「あった?」などという横柄な言葉遣いはNG。「電話とか」は「連絡など」に言い換えよう。

(3)本日はこのまま帰らせていただいてもよろしいでしょうか
 営業職などでは外出先から直帰することは珍しいことではないが、自分の希望をそのまま口に出すのはよくない。「~してよろしいでしょうか」のように、許可や承諾を求める形にする。また、電話では「直帰」は聞き取りにくいので、「帰らせていただく」の表現に置き換えよう。

(4)B社での商談で問題が生じたため、社に戻るのは○時頃になります
 「トラブった」「パニクった」などの造語はビジネスシーンでは厳禁。トラブルが起きた場合なら「問題が生じた」などに言い換える。また、「ちょっと遅くなります」では解釈に個人差があるので、目安となる時間を報告するといい。

マンガの答え:一番下が正しい。
1コマ目:役職名に「様」は不要。
2コマ目:「申し伝える」は自分の行為に使う表現。「○○様に伝えていただけますか」が正しい。

マンガ/坂木浩子(株式会社ぽるか) マンガDTP/ホリウチミホ(nixinc)

本書は大人のための敬語ドリルです。ビジネスシーンごとに、まずは問題(クイズ)を解き、その後、解説をチェック。解説を読めば誰でもラクラク、敬語とそれにまつわる語彙力を身に付けることができます。

本郷陽二著/日本経済新聞出版/935円(税込み)