電子マネーやスマホ決済など、キャッシュレスでの支払いはここ数年で格段に増加しました。なかでも、最も多くの方が使っているのが、クレジットカードでしょう。キャッシュレス決済は便利である半面、使い過ぎを心配する人も多いのではないでしょうか。マネー本の名著100冊でも、クレジットカードの使い方については多く触れられていたと、『 「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 』(日経BP)の著者の1人、藤吉豊さんは指摘します。今回は、100冊の書籍に書かれてあった内容を基に、クレジットカードの賢い使い方について解説します。
お金のプロがクレジットカード決済をすすめる理由
お金のプロたちの多くが、「リボ払いは使わない」「いつも1回払いにする」「生活費は現金主義にする」など、クレジットカードの使い方について警鐘を鳴らしています。
クレジットカードは、次のしくみになっています。
- 利用者(消費者)が加盟店(クレジット会社と契約している店や銀行等)でクレジットカードを使い、商品やサービスを買う。
- クレジットカード会社が、商品やサービスの代金を立て替えて、加盟店に支払う。
- 加盟店はクレジットカード会社に手数料を払う。
◆クレジットカードの3つのメリット
クレジットカードのメリットはおもに次の3つです。
(1)現金がなくても買い物ができる
現金がなくても買い物ができ、使った額の請求が来るのは月に一度です。短期間ですが、クレジットカード会社に対して借金をしていることになります。
(2)利用履歴が残り、家計管理がしやすい
利用履歴はウェブなどで確認できるため、家計簿などをつける手間が省けます。
(3)ポイントが貯まる
貯まったポイントは現金と同じように使えます。ただし、ポイントがたくさん貯まるからといって、不要なものまでクレジットカードで購入するのは無駄使いです。
お金のプロたちがクレジットカード払いをすすめる商品(サービス)は次のような公共料金や通信費です。
- 水道代
- ガス代
- 電気代
- スマホの通信費
口座振替や請求書による支払いの場合と異なり、クレジットカード払いにすると、支払いに応じて、ポイントが貯まっていきます。
リボ払いは絶対ダメ! お金のプロが断言する理由
クレジットカードは身近で便利なものですが、お金のプロたちの多くは、3つの点で、使い方に注意が必要だと述べていました。
(1)支払いは1回払いにする
多くのお金のプロたちが注意喚起しているのは、クレジットカードの支払い方式です。
クレジットカードの代表的な支払い方式は次の4つです。
●翌月一括(1回)払い
商品購入の翌月に一括で支払う。手数料はかからない。
●ボーナス一括(1回)払い
商品購入の翌ボーナス月に一括で支払う。手数料はかからない。
●分割払い
「支払回数」を決めて、複数回に分けて支払う。金額や支払い回数に応じた手数料がかかる。
例)10万円のパソコンを10回払いにした場合、パソコン代に手数料を加えた額を10回に分けて支払う。支払いは10回で終わる。
●リボルビング払い(リボ払い)
毎月の「支払金額」を決めて支払う。リボ払いで使った件数や金額にかかわらず、毎月の支払金額がほぼ一定。手数料がかかり、残高に応じて計算される。
例)10万円のパソコンを買って、毎月1万円のリボ払いにした場合、毎月1万円支払う。翌月に5万円のコートを買ってリボ払いにした場合、支払い額は1万円と変わらないが、支払いの期間が延びる。
4つの支払い方式のうち、お金のプロたちは「支払い回数は1回にする」ことをすすめています。理由は、複数回の支払いにすることで、手数料がかかってしまうこと、クレジットカードの手数料が高いことを挙げています。
クレジットカードの種類によって、手数料率は異なります。一般的には、12~15%です。
手数料率15%で10万円の商品を月々5000円のリボ払いにした場合、クレジット会社によって異なりますが、支払総額は11万3000円~11万6000円くらいになります。10万円の商品に対して、1万円以上多く払うことになります。
10万円の商品を20回の分割払い(手数料15%)にした場合も、支払う額はほぼ同じです。ただし一般的には、リボ払いよりは分割払いのほうが、得になりやすいといわれます。
元三井銀行(現・三井住友銀行)の行員でお金の専門家として知られる菅井敏之さんは、著書『一生お金に困らない! 新・お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)の中で、「リボ払いの金利は15%と、とんでもない金利です。絶対に利用してはいけません」と述べています。
全米の学生が学んできたロングセラー『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』(SB クリエイティブ)の中で、著者のアンドリュー・O・スミスさんは次のように警鐘を鳴らしています。
「これから大切なことを言うので、よく覚えておいてもらいたい。『クレジットカードはいつも1回払いにすること』。本当の緊急時であれば仕方がないが、それ以外は絶対に残高を翌月以降に持ち越してはいけない」
どうしても一括で払えない場合は、ボーナス一括払いや、2回払い(金利は2回までならかからない)を使うといいでしょう。
クレジット払いは「短期の借金」 管理できる範囲で使用する
(2)クレジットカードは2枚までにする
クレジットカードは多く持たないほうがいいという意見も複数ありました。
理由は、多く持つと管理が煩雑になったり、クレジットカードの会費が多くかかったりするためです。とはいえ、1枚だけでは、万が一、カードを紛失したときなどに現金しか使えず不便です。予備に1枚つくり、合計で2枚にします。
年会費は種類によって無料のものもあれば、かかるものもあります。年会費の高いものは、たとえば、空港のラウンジが使えたり、海外旅行の傷害保険の補償額が高額になるなど、特典や優待サービスが充実しています。特典やサービスを比較し、自分に合ったカードを選ぶようにします。
(3)引き落とし口座は残高不足に気をつける
クレジットカードを使ったときには、使用した額を把握し、引き落とし口座が残高不足にならないように注意します。万が一、残高不足だった場合は、クレジットカード会社に連絡をして、対処方法を確認します。
長期的に支払いが遅れたり、何度も遅延が繰り返されると、クレジットカードが使えなくなる場合があります。さらに、金融機関の信用情報に記録され、住宅ローンの申し込みや、新たなクレジットカード発行の際などの審査に悪影響を及ぼすこともあります。
クレジットカードは、計画的に使い、使った金額、引き落とし日の確認をしておくことが大切です。
藤吉豊、小川真理子(著)、日経BP、1650円(税込み)


