「早口」な人との会話、「いいこと」が起こる期待……じつはこれらは「自律神経」を乱す大きな要因。日々に潜む「乱れ」の種を見つけて、上手に対処していくことが心身を整えるカギになる。何より大切なのは、「自分にとって大切なもの」を思い出し、改めて「大切にしよう」と意識するための「問いかけ」の習慣。日経ビジネス人文庫『心地よい自分が見つかる101の質問』(小林弘幸著)から抜粋・再構成してお届けする。

質問1
あなたにとって
「話すと癒やされる人」は誰ですか?

 きっと誰にでも「この人と話すと心が安らぐ」「癒やされる」という相手がいるでしょう。

 その人のキャラクター、関係性など要素はいろいろありますが、ここではあえて「話し方」に着目したいと思います。

 そういわれてみたら(話の内容とは関係なく)、「この人の話し方、イヤだな」と思うことはありますよね。

 原則として、早口の人は自律神経が乱れていることが少なくありません。
 そして、自律神経の状態は周囲に伝染するので、相手の自律神経も乱します。

 「あの人と話しているとなんとなく疲れる」「ぐったりする」というのは話の内容や人柄もさることながら、話し方が大きく影響しているのです。

 反対に、ゆっくり話す人は、自分も周りも自律神経を安定させます。

 さらにいえば、ただゆっくり話すのではなく「話し出すタイミングで少し間(ま)を置く」のがポイントです。

 自分のターンになったときすぐに話し出すのでなく、ゆったりと間をとって話し出す。
 自分のみならず、相手の自律神経も整える話し方の極意です。

「相手の自律神経も整える話し方」を心がける

質問2
あなたの人生は「いいこと」何割、
「悪いこと」何割ですか?

 人生には「いいこと」も「悪いこと」も起こりますが、その割合はどのくらいだと感じているでしょうか。
 これは「実際どうか」より、それぞれの感じ方、捉え方の問題です。

 実は私は「人生はいいこと1割、悪いこと9割」と考えています。

 こんな言い方をすると「すごくネガティブですね」といわれそうですが、私にしてみればネガティブでも何でもありません。
 自律神経を乱さない「究極の考え方」です。

 そもそも「悪いことが9割」なのですから、少々悪いことが起こっても「そりゃそうだよね」とすんなり受け入れられます。それが当たり前ですから

 反対に、少しでもいいことがあれば「すごくラッキー」だと思えます。人生の1割しかない「いいこと」が起こるのですから、こんな幸運はありません。

 「人生は修行」ですし、自律神経を乱さない極意は「期待しないこと」。

 考え方は人それぞれですが、「人生はいいこと1割、悪いこと9割」の発想も捨てたものではありません。案外、おすすめの考え方です。

一見ネガティブに思える発想が自律神経を整える

質問3
あなたが心地よいと感じるのは、
どんなリズムですか?

 自律神経とリズムの関係は「生活リズム」「生活習慣」だけでなく、その瞬間瞬間、体で感じるリズムも大きく影響しています。

 私はスポーツ選手のコンディショニングコーチもしているのですが、実際に選手たちにメトロノームの音を聞かせて、状態を整えることを実施しています。
 心地よいリズムを感じると、それだけで自律神経は整ってきます。

 最近はスマホでもメトロノームのアプリがありますから、1日に3分、メトロノームの音を聞くのもおすすめです。

 そのほか、私はよく「階段の上り下り」を推奨していますが、体を動かすことで血流がよくなるのはもちろん、階段を上ったり下りたりするときのリズムもじつは自律神経を整えるのに一役買ってくれています。

 ウオーキングでも、ジョギングでも、リズミカルな動きによって気分がよくなる感覚は誰でも感じたことがあるはずです。
 それは単なる感覚ではなく、医学的に状態が整うことが証明されているのです。

「心地よいリズム」が心身の状態を整えてくれる

ゆったりと間をとって話し出すことで自分も相手も心が落ち着く<br>(写真:lielos/stock.adobe.com)
ゆったりと間をとって話し出すことで自分も相手も心が落ち着く
(写真:lielos/stock.adobe.com)
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日経ビジネス人文庫
心地よい自分が見つかる101の質問
45万部超のベストセラー「習慣シリーズ」著者、最新刊

自律神経研究の第一人者が提案する、まったく新しい「整え」の習慣。「問い」に向き合うことで、忘れていた「自分にとって本当に大事なこと」がもう一度くっきり見えてくる。人間関係、生活習慣、自分自身を軌道修正したい人にぴったり。

小林弘幸著/日本経済新聞出版/880円(税込み)