『日経ウーマン』で青木さやかさんに連載をお願いすることになったきっかけは、リレーエッセイ「妹たちへ」でのご登場でした。当時、マネジャーさんが心配していたのが青木さんの“マネーライフ”。「浪費家でお金の知識がない青木さんに新しい扉を開いてもらいたい!」という意気込みでスタートし、赤裸々にその様子を公開してきた連載が、1冊の本『お金まわりを見直したら人生が変わった』になりました。(本連載は、書籍『 お金まわりを見直したら人生が変わった 』に収録されている内容の一部を抜粋してお届けします)
浪費家だった青木さんですが、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子先生との出会いをきっかけに胸に火がともり「お金意識の革命」が起こりました。「お金を知ることは人生を知ること」と達観するまでに成長し、マネー賢者へ華麗に変身を遂げたのです。お金に自信がない人も、すでに自信がある人も、青木さんの軌跡を追うことでお金への意識が磨かれるはず。さあ、「お金意識の革命」の始まりです。
お金を貯めるには、まず家計簿をつけて現実を見つめることから。なんとなく「我慢」や「制限」というイメージがあるかもしれません。しかし、青木さんのモットーは「無理せず楽しく」。
この章では、青木さんが徐々に節約上手になっていく、リアルな過程をセキララな家計簿とともに紹介します。節約は我慢ではなく、自分らしい生活をつくるための「楽しい挑戦」と捉えた青木さんは、自炊生活を楽しんだり、週に一度「お金を使わない日」を設けたりすることで、無理のないペースで出費をコントロールしていきます。
いったい何をするのか未知なままスタートしたが、坂本綾子先生は大変著名であり信頼できる先生で、きっといい投資とか株とか教えてくれるのであろう、あっという間に増えるのであろうな、と想像していたのだが。
最初の宿題は、日々何にお金を使っているかを書き留めること。そして、貯蓄額、マンションや車のローンの残金、娘の学費などを知ること。自慢じゃないが知らないんですよ、貯蓄額も残金も。通帳とお金に関する書類は、あの棚にあったかな。捨てたかもしれない。ああ、想像しただけで面倒くさい!
名ファイナンシャルプランナーをもってしても、まず基本はそこなのか。日々書き留めること、いくら使っているかを把握することはきっと大切なことなのだ。ダイエットだってそうだもの。毎日体重を量ることで翌日気をつけるようになる。ふむふむ。
というわけで、❶固定費(ローン、光熱費、学費など)を調べるべく、関連しそうなあらゆるものを持参し先生とチェック。
坂本 車のローンはいくら残っているの?
青木 分かりません。
坂本 車のディーラーさんに電話してください。マンションのローンは?
青木 分かりません。
坂本 銀行さんに電話してください。保険は?
青木 保険屋の友人に電話しますね!
坂本 学費は?
青木 どこかの口座から引き落とされているんですかね、どれかなぁ、通帳がいくつかあって。先生、手伝ってください。
坂本 生活費を引き落とす口座は1つにしたほうが把握しやすいですよ。
青木 なぜ口座がいくつもあるんですかねえ? 確かマンションを購入した時にお金を貸してくれたみずほ銀行さんがメインバンクで。でもマンションは三井だから管理費は三井住友銀行の口座から引き落としになっていて。別れた夫からの毎月の養育費振込用に、新たに作ったんですよ、口座を。同じにすると分からなくなるかな入金がと思って。そしたらどの口座か分からなくなっちゃってますね。ここらへんがさすが私です。
坂本 固定費は63万円ほどありますね。
青木 高い!
坂本 青木さんが書き留めてきた12月の支出。❷の変動費を項目別に分けてみましょう。こうすることで初めて、自分が1カ月にいくら使っているのかがはっきりと分かります。
青木 交際費で19万円以上かかってるじゃないですか!
坂本 お仕事柄、交際費は必要かもしれませんが、これだけ使っているんだと自分で見ることは重要ですよ。
青木 お歳暮シーズンでしたから。しかし多すぎるな。事情を話して、今後は贈らないでおきますか。いや事情を話されても先方も困るでしょうから、そっと今後贈らない方向でいきますか。後輩におごるのも一旦極力やめる方向で。食事の時にいちいちお土産持参も控える方向で。旅に行ったらあげる相手も定かでないバラマキ土産を買うのも禁止。すみません、長い独り言です。
坂本 車のローンで5万円。駐車場代もかかっていますね。都内の駐車場は高いですよね。車の維持はお金がかかります。
青木 雑費の内訳を振り返ると、12月は2万9000円のベージュのコートを買っていたんですね。ウール。まあ、これはいいとして、デパートに行くと、どうしても欲しいものが出てきますから。伊勢丹なんて、倒れそうに欲しいモノが。カードで買った日には大変。税理士さんに言われました、そういえば。カードだと使いすぎるから現金にして、どれだけ財布から出ていくのか、実感してみてください、と。
坂本 娘さんの9万円という支出も結構ありますね。
青木 やりたいという習い事は、まあ、出してあげたいという気持ちはありますね。一式揃えたのにまたやめるんかい! と言いたい気持ちを抑えてます。立派な親です。
坂本 2万2000円は動物愛護団体に寄付ですね。
青木 毎月のライフワークですね。ギャンブルから寄付への変化。
坂本 固定費と変動費を合計すると、約127万円。
青木 え!? そんなに? だって、12月の収入は127万円もないのに。
坂本 だから貯金がなくなってきたんですよね。
青木 目視すると疲れます。知らないほうが幸せなことってありますが、知った以上は、知らなかったときより幸せになります。
坂本 今日からがスタートですよ。頑張りましょう。
青木 ハハハ。
坂本 青木さん、インターネットバンキングって知っていますか?
青木 なんか、はい。スマホで振り込んだりできるやつ。
坂本 やりましょう。収支を見ることができますし、残金をチェックするのもラクです。
青木 貯まったら見るのが楽しそうではありますね。
坂本 青木さんの銀行口座はたくさんありますが、1つにまとめておきましょう。
青木 はい、次回までに。
坂本 毎日の支出を引き続き書き留めて。
青木 はい。
坂本 自分で費目別に分けて。
青木 自分で? えー、はい。
坂本 それから青木さん。お金を貯める楽しさを感じてみましょう。
青木 少しずつ貯めるの、楽しいのかしら。
坂本 月3万円でも。
青木 どこに貯めるんですか? 棚? 貯金箱?
坂本 どこでもいいです。それで好きなモノを買う楽しさを感じてみましょう。
青木 欲しいモノは山ほどあるけど、食器ブランドの「アスティエ・ド・ヴィラット」のフルーツスタンドが欲しいなあ。しかしやることがいっぱいありますけど、お金を貯めるのは自力なんですね。自力しかないんだ。自力、コツコツ、ふむふむ。
青木さやか著、坂本綾子監修/日経BP/1980円(税込み)


