『売り方の正解 小さなお店が生き残る50のヒント』(竹内謙礼著)は、人も資金も足りない小さなお店が行うべき販促・集客法を紹介しています。本書のエッセンスをひと言でいえば「アナログとデジタルのいいとこどり」。この連載では本書のさわりや著者の寄稿記事などを掲載します。2回目は「コラボ企画のすすめ」です。

お金をかけずに新規客・常連客を増やす

 新規のお客に来店してもらうには、多大な経費がかかる。それは、お店や商品を認知してもらうための広告費、来店を誘うための割引・特典などの費用である。

 そのお金をケチると、新規客はやってこないし、常連客も増えない。客単価も上がらないので、いつまでたっても赤字体質から抜け出せない。

 しかし、逆に考えれば、お金をかけずに新規客を獲得し、かつ短期間で常連客に育て上げる方法さえあれば、売り上げと利益の双方を増やすことが可能となる。

 お勧めはコラボ企画である。A店とB店が共同の企画を開催する。A店のお客がB店に行き、B店のお客がA店に行くので、両店は同時に新規客を獲得できる。集客は双方のSNS(交流サイト)、ブログ、店内のポスターなどで行うから、広告費はほとんどかからない。

 コラボ企画に賛同してくれるお客は、双方のお店のお得意客であることが多い。広告で集めたお客よりも、優良顧客になるスピードが速いし、客単価も高い。すなわちコラボ企画は、最低限のコストで最高のお客を手に入れることができる販促手法なのである。

 コラボ企画には様々なパターンがある。

 ひとつは、それぞれの店舗で、商品やサービスを紹介し合うパターンだ。たとえば、マッサージA店の一角を借りて、ネイルサロンB店の無料体験会を開催。一方でネイルサロンB店では、マッサージA店の無料体験会を開催する。このようなコラボ企画を展開することで、初めてのお客に、自店の商品・サービスを売り込むことができる。

 もうひとつは、お互いの店舗で、共同開発した商品を販売することである。たとえば、パン屋A店が、レストランB店と一緒に、スパゲティサンドを開発し、お互いの店で販売する企画だ。

(イラスト:諒将)
(イラスト:諒将)
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集客には全力を尽くそう

 コラボ企画を成功させる秘訣は、それぞれの店舗が手を抜かず、全力で集客することである。規模や商圏に多少の違いがあってもいい。自店のSNSやチラシなどあらゆる販促ツールを使って一生懸命集客すれば、お互い納得できる企画となるだろう。

 もし、どちらかの店が集客に手を抜けば、不信感や不満が生じてしまう。だから集客には全力を尽くし、コラボの相手にはその姿を見せるべきである。

 小さな店同士で共同企画を始めると、お互いに遠慮してしまい、決め事が曖昧なまま結局トラブルになってしまうこともある。どのような販促方法を採用し、どのくらいの集客を目標にするのか、事前に細かな方針や目標を決めておいたほうがいい。

 特に気をつけたいのは、仲の良い経営者同士でコラボ企画を開催するときである。仲が良かったとしても、お互いの商材とサービスがまったく無関係であれば、集客の相乗効果は生まれにくいので注意が必要だ。

 商材とコンセプトが似通っており、同じぐらいの規模のところとコラボをするのが理想的だ。また、SNSや動画のフォロワーが多く、集客力のあるお店と組むほうが、高い確率で売り上げ増につながる。そのためには、日ごろの人脈作りや交渉能力も問われる。

 コラボ企画はネットショップやメーカーにおいても効果がある。打ち合わせや調整の手間こそかかるが、いったん成功すれば、他のお店や会社からも声がかかりやすくなり、規模を拡大しやすいというメリットもある。

お店とお店のコラボは、少ないコストで最高のお客を獲得できる方法だ(写真:Abdul/stock.adobe.com)
お店とお店のコラボは、少ないコストで最高のお客を獲得できる方法だ(写真:Abdul/stock.adobe.com)
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アナログとデジタルの「いいとこどり」で行こう。「お店のQRコードは大きく」「コピーは生成AIで大量に作る」「お客が笑顔になる商品名をつける」。小さいお店だからこそできる売上アップ、集客手法を教えます。

竹内謙礼著/日本経済新聞出版/1760円(税込み)