『売り方の正解 小さなお店が生き残る50のヒント』(竹内謙礼著)は、人も資金も足りない小さなお店や会社が行うべき販促・集客法を紹介しています。本書のエッセンスをひと言でいえば「アナログとデジタルのいいとこどり」。この連載では本書のさわりや著者の寄稿記事などを掲載していきます。5回目は「検索されやすい店名にしなさい」です。
店名もキーワードを意識しよう
「店舗名」は重要な集客ツールである。たとえば、スマホ修理の専門店の場合、お客はスマホ修理を望んでいることが明らかなので、『スマホの修理屋さん』『スマホ即日修理のお店』という店名は、サービス内容がお客に伝わりやすい店名となる。
反対に、自分の思いを込めてつけた店名は、お客には伝わりにくいから、集客にはマイナスとなる。たとえばスマホ修理の専門店なのに、店主が春の季節が好きだからといって、『スプリング・ワールド』という店名をつけたとしたら、何のサービスを提供しているのか分かりにくくなり、新規のお客はやってこないお店になってしまう。
またごく一般的な地名や固有名詞が並んだ店舗名、例えば『日本橋不動産』なども、記憶に残りづらいから、忘れられてしまいがちである。
店舗名は商品やサービスが伝わりやすい名称をつけることが重要である。特に、検索キーワードを含んだ店名をつけることは、デジタル集客が主流となった今の時代では必須の施策といえる。
たとえば、先述したスマホ修理の専門店の場合、お客は自宅や職場から近い店舗を、グーグルマップなどの地図アプリで探している可能性が高い。その事情を考えれば、地図アプリ上で「スマホ 修理」と検索した際に、サービス内容がイメージしやすい店名をつけることが、デジタル集客には必要不可欠となる。
つまり、お客の検索しているキーワードを店名に入れることが、地図アプリから集客する重要な施策になり、それらのキーワードが含まれていない店名は、お客が地図アプリで見つけにくいお店になってしまう。
先述した好ましくない店名事例の『スプリング・ワールド』というスマホの修理専門店は、「スマホ」や「修理」のキーワードが含まれていないので、地図アプリで「スマホ 修理」で検索しても店名だけではサービス内容が分かりにくい。
絶対につけてはいけない店名とは?
検索キーワードを含んだネーミング術は、お店だけでなく、会社のホームページやネットショップでも活用できる。たとえば、宮崎市でリフォーム業を営んでいる『竹内謙礼工務店』という会社があった場合、ホームページの名称を『宮崎市リフォームセンター』にしたほうが、グーグルで「宮崎市 リフォーム」のキーワードで検索した際に、ヒットしやすいサイトになる。
また、『竹内謙礼堂』という和菓子店がネットショップを開業した場合、実店舗と同じショップ名をつけるよりも、「ギフト 和菓子」のキーワードを意識して『ギフト和菓子の専門店・竹内謙礼堂』というネーミングにしたほうが、検索にヒットしやすく、なおかつ、どのような商品が得意なのか、店名を見ただけで伝わりやすくなる。
他にも、英文字や覚えにくい造語、打ち込みにくい小さな「ィ」や濁点の「ヴ」などが入った言葉は、集客に悪影響を与えると思ったほうがいい。
すでに地域内に浸透している店名であれば継続して利用してもいいが、これから新しく開業したり、リニューアルしたりする店舗は、どのような言葉で自分のお店が検索されるのか、意識して店名をつける必要がある。
それでもなお、「自分の思いを込めた店名をつけたい」というのであれば、もう一度、新規客や常連客を集めるためのコストが、どのくらい発生するのかを真剣に考えてほしい。新しいお客やリピート客の数は、確実に店名の分かりやすさに比例する。分かりにくい店名になればなるほど、ネット広告やチラシを配布するコストは増えていき、利益を圧迫することになる。さらに、口コミで伝わりにくくなり、SNS(交流サイト)での拡散力も弱くなってしまう。
お客に伝わりやすく、理解されやすい店舗のネーミングにすることは、会社全体の売り上げと利益を大きく左右する、重要な施策なのである。
竹内謙礼著/日本経済新聞出版/1760円(税込み)


