内容紹介

 大好評の『C#実践開発手法~デザインパターンとSOLID原則によるアジャイルなコーディング』(日経BP社、2015年)がパワーアップして再登場! 本書は"Adaptive Code: Agile coding with design patterns and SOLID principles, Second Edition"(Microsoft Press、2017年)の日本語翻訳版で、『C#実践開発手法』の第2版に当たります。
 市場ニーズや顧客要求が常に変化する今日、開発現場では変化にすばやく対応できることが求められています。本書では変化に対応しやすいコードを“アダプティブコード”(adaptive code)と呼び、変化に柔軟に対応できるソフトウェア開発を実現するために、アジャイル開発、デザインパターン、SOLID原則を、開発現場でどのように実践するかを解説します。方法論と実践のギャップを埋めるための書籍です。
 今回の改訂では、カンバンの章、依存性の注入の章、結合度・凝集度・コナーセンス(connascence)の章が新たに追加されたほか、テストとリファクタリングの章を分けて説明を充実させています。初版に引き続き、C#の基本をひととおり理解した開発者が、ワンランク上を目指すために読んでおきたい1冊です。

----------「監訳者あとがき」より抜粋----------
 本書の特長を数式で表すと、以下になると言えるでしょう。

  時代が求めるソフトウェア開発現場
     = アジャイルなプロジェクト運営 × コーディングテクニック
(中略)
 本書は、各部、各章だけを読んでも有益な情報を得る機会となりますが、通して丁寧に読んでいただくと、ここで紹介しているデザインパターンやコーディングテクニックが、「技術的負債」との賢い付き合い方を解説していることが見えてきます。そうです、「アダプティブコード」とは、技術的負債と開発チームが賢く付き合っていくために不可欠な考え方なのです。
 監訳者から見ての本書籍の読者対象は、初学者からベテランまでのC#開発者すべてだと断言したいところです。特に、ビジネス変化に対応したいという現場の開発者はもちろんですが、デザインパターンに関心がない開発者と、逆にデザインパターンが大好きで何でも適用したくなる開発者は、ぜひ本書を読んでいただき、ご自身のスタンスを見つめ直す機会にしていただければと思います。また、サンプルコードはC#ですが、他のプログラミング言語(特に型付けされた言語)で開発しているチームにとっても大切なエッセンスを学んでいただけます(それゆえか、第2版の原題からは、“via C#”が外されています)。
 本書は、ひとりの開発者として読んでも十分に読み応えがありますが、チームメンバーと輪読したり、コミュニティで読書会を開催したりすることで、各自の受けた視点を共有し、チームを結束する機会にしていただけると思います。

                              2017年12月
                            監訳者 長沢智治
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