内容紹介
クライアントアプリケーションの頻繁な変化に合わせて、サーバーサイドにHTTPサーバーを構築するのはなかなか困難です。ある日は数十件だったものが、ある日は数万件も発生するようなピークに変動のあるアクセスに対して、物理サーバーを用意するのはコスト的に問題があります。
AWS Lambda、Google Cloud Functions、そしてMicrosoft社のAzure Funcitonsは、これらの変動に素早く対応するために、サーバーレスな実行環境を用意しました。
HTTPサーバーや特殊なサーバーを構築する必要はなく、あたかもプログラムで関数を呼び出すかのようにプログラミングができる実行環境です。これが関数=Functionの名前の由来でもあります。
本書で扱うAzure Functionsは、数多くのトリガー(関数を呼び出すイベント)とバックエンドで扱えるサービス(データベースやファイルストレージなど)を持っています。
また、.NET Coreでプログラミングできることから、Azureの各種のサービスを既存のクラスライブラリを通して利用できます。
クライアントサイドのアプリケーションが、直接Azure内のサービスにアクセスするのではなく、Azure Functionsを通すことでサーバーサイドのさまざまなサービスを後日拡張できます。
非常に範囲の広いAzure Functionsの機能を解説するために、本書は2部構成にしてあります。1章から5章は、基礎編として個別のトリガーについて詳しく解説しています。
Azure PortalとVisual Studioを使った例を使い、実際にトリガーの動きをみていきます。6章以降は応用編として各種トリガーの組み合わせやAzureが提供するストレージサービスとの組み合わせを具体例を示して作成していきます。
はじめに
第1章 Azure Functionsの概要
第2章 Azure Portalで初めての関数を作成する
第3章 Azure Functionsの適用範囲
第4章 Azure Portalの概要
第5章 トリガーの種類
第6章 定期起動する(タイマートリガー)
第7章 HTTPトリガーでデータベースを更新
第8章 Cosmos DB トリガーの利用
第9章 ファイルストレージの利用
第10章 プッシュ通信
第11章 多数の連携(Event Grid)
付録 Azure Functions開発に必要なツール
索引