内容紹介
ノーベル経済学賞受賞の「知の巨人」が放つ「本当に役に立つ経済学」。マクロからミクロ、ビジネスまで現実問題に経済学が答えます!おすすめポイント
日経2018年「エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10」第1位!週刊ダイヤモンド2018年「ベスト経済書」第7位!
「経済学は世界に開かれた窓だ」(ジャン・ティロール)
柳川範之・東京大学教授推薦!
「経済学への情熱に溢れた本。知の巨人が、経済の諸問題を快刀乱麻! 」
北村行伸・一橋大学教授が解説を執筆
★ノーベル経済学賞が複数受賞可能なら何本受賞してもおかしくない、質量とも世界最高峰の業績を誇るティロール先生が、初めて一般向けに書き下ろした経済書! 良い社会をつくるために経済学はどう役立つのか、現実感覚に富んだスーパー経済学者が万人向けにわかりやすく解説します。
★なぜ、経済学が社会の問題を解決するのに活用できるのか、というそもそも論から、社会の制度、環境や雇用・失業、金融危機などのマクロ的な経済問題、競争政策や産業政策、イノベーション、規制など、幅広いテーマを取り上げます。ティロール先生がこれまで積み重ねてきた知見が凝縮されている本であり、自らの学者としての生活を交え、一般の読者向けに解説します。数式は一切なく、経済学を知らない人でも読みこなせる。質が高く、広く長く読まれる良書です。
★ティロール経済学の特色は、完全市場や完全情報などを前提とする従来の経済学とは異なり、不完全市場や経済的インセンティブだけで人は動かないなど、より現実的な前提をおいて、企業や個人、政府の行動を説明し、望ましい行動を促すための制度設計を提案する点にあります。「現実に使える経済学」「社会を良くするための経済学」です。
★ジャン・ティロール教授は2014年ノーベル経済学賞を受賞した、「スターの中のスター」といわれる「知の巨人」。ゲーム理論を応用した産業組織論、金融論、バブル論など、広範なフィールドにわたってきわめて優れた研究を相次いで発表。ノーベル経済学賞は「市場支配力と規制」に関するテーマで受賞しましたが、他の分野での受賞も取り沙汰されたほど研究領域は多岐にわたります。また、優れた理論家であると同時に現実感覚に秀でた研究者と評されています。リーマンショックの直後、「どうして誰も信用収縮の到来に気がつかなかったの?」と、エリザベス女王がイギリスの経済学者たちに問いかけたことが大変話題になりました。これは、それ以来、経済学は役に立たないのではないか、という人々の疑問を象徴する事件となり、経済学の有用性と市場の働きに対して落胆と失望、冷たい視線と不信感が世界に広がりました。
本書の著者、2014年にノーベル経済学賞を受賞したジャン・ティロール教授が、このような市場や経済学への不信感が高まるなかで、何が経済問題の本質なのかを冷静に問いかけ、経済学のあるべき姿、経済学はどのように役立つものであるのかを明らかにします。ティロール教授の「経済学は共通善に尽くし、世界をより良くすることをめざす。この目的を達成するために、全体の利益を高めるような制度や政策を示すことが経済学の仕事となる」という言葉に、その考えがはっきりと表れています。
「幅広い読者に読んでいただけるように書いた。経済学を専門的に学んでいる必要はなく、知的好奇心はあって、世界をより良く理解したいという気持ちがあれば、それで十分だ」と著者は語りかけます。世界が直面するさまざまな難題に対して経済学がどのような解決策を示すことができるのか真摯に論じる、新しい経済学の教養書の誕生です。
アメリカの有名な経済学者の賑やかな時論のおもむきとはまったく違って、不平等や環境問題、経済危機や産業規制などの問題に対して、冷静に、真摯に、しっかりした理論的根拠をもって論じる姿勢は、経済学に対して失望している人にも、清涼感とともに、希望を与えてくれるでしょう。