内容紹介

戦争、パンデミック、資源争奪、サイバーテロ……
人類の存亡を脅かす危機の正体と解決策を、地政学の世界的な大家が語る!

「世界は日本のリーダーシップを必要としている」(本文より)


【人類の存亡を脅かす「3つの危機」】
現在、我々は3つの危機に直面している。

1つはパンデミックだ。世界は今も、新型コロナウイルスの経済的、政治的、社会的影響を払拭できずにいるばかりか、今後も危険なウイルスが世界を苦しめるのは間違いない。

2つ目は気候変動で、何十億もの人々の暮らしを一変させ、地政学的なリスクを高める要因となる。

3つ目は破壊的な新技術だ。我々の生き方、考え方、他人とのかかわり方を変え、それが思わぬ悪影響を人類におよぼし、未来を決めるだろう。

分断が進むこの世界で、人類は果たして危機を乗り越えられるのか……。

だが、希望はある。
歴史を見ても、人類の存亡に関わる危機、世界的な戦乱が起こりかねない断絶が起こると、それを避けるために協調の動きが起こる。
逆説的だが、分断を乗り越えるために「危機の力」が必要なのである。

本書は、地政学の第一人者による「警告の書」であると同時に「希望の書」でもある。

目次

日本語版への序文

序章 我々に必要な危機
-1985年の「談笑」
-新たな冷戦が起きる可能性
-コロナ禍が明らかにした地政学的停滞
-我々に必要な危機 ほか

第1章 2つの衝突――「我々」対「彼ら」、「国内」対「海外」
-機能不全に陥ったアメリカ
-信用を失ったメディア
-米中貿易戦争の影響
-台湾、そして東アジアの火種
-弾圧の道具を売る ほか

第2章 パンデミックの地政学
-分断を深めた危機
-消えない中国への不信感
-「Gゼロ」世界の反応
-大規模な検査は政権の評価を守る
-新型コロナ危機が与えた「希望」 ほか

第3章 気候変動という共通の敵
-「人新世」の爪痕
-気候変動の地政学的リスク
-気候アパルトヘイト
-難民の権利
-グリーン・マーシャルプラン ほか

第4章 破壊的なテクノロジー
-フィルターバブル
-「監視資本主義」
-技術がならず者に使われる
-戦争へのハードルが下がる
-偽情報と暴力行為の扇動 ほか

終章 協調への道
-25年先の未来
-国際機関から学んだ教訓
-未来に向けての前向きなビジョン
-ハイテク企業を動かす3つの思想 ほか

追記 ロシアのウクライナ侵攻が意味するもの