内容紹介

人間の経済は、社会関係の中に沈んでいるーーこうした人類学などの発見から、未開人は利益を追求する「経済人」と想定したアダム・スミスを否定し、古代社会では互酬と再分配という利益を動機としない行動原理によって生産と分配、つまり経済が機能していたとポランニーは主張する。ところが、18世紀以降、機械の導入による工場生産が広がり、急速に市場経済化が進むと、労働者の貧民化という問題が表面化してくる。経済の社会からの分離である。市場経済をモデルとしてスミス、リカードの古典派経済学が生まれたが、市場経済への反動として、ユートピア思想やマルクス思想が生まれる。上巻は、ポランニーの大胆な経済史見直しが魅力的だ。

目次
謝辞 第1部国際システム 第1章100年の平和 第2章保守の1920年代、革命の1930年代 第2部市場経済の興亡 1悪魔の工場 第3章「住処か進歩か」 第4章社会と経済システム 第5章市場のパターンの進化 第6章自己調整市場と虚構の商品ーー労働、土地、通貨 第7章スピーナムランド 1795年 第8章前史と帰結 第9章貧民化とユートピア 第10章政治経済学と社会の発見