内容紹介
日本はGAFAMでなく、半世紀を超えて成長を止めず増収増益を続けるジョンソン&ジョンソンや3M、200年近い歴史を生き残り今も繁栄するP&Gのようなモノづくりの会社から学べることが多いのではないでしょうか。では、多くの日本企業にとって手本となるような、2000年以降に大きな成長を遂げた企業、あるいは大きな質的転換を成し遂げた企業は存在するのでしょうか? 本書は、「失われた30年」に成長を実現し、少なくとも70年以上の歴史を持つという条件を満たす以下の15社に共通している成功の法則を解明するものです。
【取り上げる15社】
トヨタ自動車(三河のトヨタから世界のトヨタへ、売り上げは8兆円から30兆円へ)
ソニー(傍流にいた非エレキ事業が8兆円規模に成長)
ダイキン工業(ダメキン工業と揶揄された会社が空調世界ナンバーワン企業へ)
大和ハウス工業(新築一戸建てが縮小するなかで4兆円企業に成長)
コマツ(1990年代の停滞を克服し、事業規模を3倍に)
村田製作所(スマートフォン時代を先読みし、売り上げ2兆円のグローバル企業へ)
テルモ(ドメスティックな体温計の会社が7000億円のグローバル医療機器企業へ)
中外製薬(栄養ドリンク剤グロンサンの会社が超優良バイオ製薬会社へ)
信越化学(売り上げ2兆円、営業利益7000億円というお化けのようなグローバル企業)
ヒューリック(みずほグループの小さな設備資産管理会社が不動産開発の先進企業となり、わずか十数年で5000億円の事業を創造)
りそな銀行(3兆円の公的資金を完済し、日本のリテールバンキングナンバーワン企業へ)
みずほ証券(小さな債券専門証券会社から大規模な総合証券会社へ)
野村総合研究所(ITソリューションカンパニーに変身し、2.5兆円の時価総額へ)
良品計画(倒産の危機から個性あるコンセプト、ユーザーにとっての意味を売るグローバルリテーラーへ)
伊藤忠商事(大阪ベースの繊維商社から業界トップの投資企業へ)
目次
序章 つらい仕事を愚直に続ける勇気第Ⅰ部 失われた30年を振り返る
第1章 1990年代――学ぶことを忘れた10年
第2章 2000年代――官僚化する社員
第3章 2010年代――経営者も社員も短期志向
第Ⅱ部 失われなかった30年を経験した伝統大企業の10の黄金法則
第1章 「個」を活かす経営
法則1――社員全員参加の経営
法則2――中間管理職でなく中核管理職
法則3――悪いヒエラルキーがない
第2章 戦略よりも実行
法則4――トップダウンの戦略経営をしない
法則5――精密な中期経営計画をつくらない
法則6――実行の仕組みとプロセスを執念深く磨く
第3章 イノベーションに仕組みで取り組む
法則7――顧客に憑りつき、顧客の回りを徘徊し、何かを感じる
法則8――縦割りでなく横割りプロジェクトが組織を横断する
第4章 威圧的でないCEO
法則9――CEOが研修講師になる
法則10――ハイカラでなく愚直。あまり目立たないCEO
第5章 成長できなかった伝統大企業に学ぶ
第6章 成長10の法則を超えて
第Ⅲ部 会社をつくり直す
第1章 課長力を復活させる
第2章 イノベーションの体制とプロセスをつくる
第3章 社員の全員が顧客起点(ユーザー・イン)に愚直に取り組む
第4章 経営者をつくり直す
終章 日本企業の未来を切り拓く
インタビューノート