内容紹介

DXの「どうやって」を解き明かす。
デジタル組織に生まれ変わるための「やることリスト」を網羅!
先進事例からベストプラクティスを抽出した実践ガイド。

DXは「プロジェクト」ではなく「ジャーニー」である。
DXは1回かぎりのプロジェクトでも、実験的な打ち上げ花火でもない。組織全体に浸透 し、デジタル技術が組織活動の基本構造になるまで続く、長い段階的なプロセス(ジャーニー、旅路)だ。本書には、約10年にわたるDXについての研究のなかで著者たちが集めてきた「実践者たちのベストプラクティス」が詰まっている。「変革」という難事業を成し遂げるための手法として役立つはずだ。

・なぜDXなのか。明確で強力な「変革理念」を掲げるには?
・デジタル化の取り組みを、どの程度まで統合/分離するか?
・社内にない技術やソリューションにアクセスするには?
・サービスモデルへ移行し、プラットフォームの力学を用いるには?
・リソースを柔軟に割り当て、サイロ横断型の連携を促すには?
・プロジェクトを拡張して、スケールアップを図るには? など

テーマごとに、ベストプラクティスや洞察、アドバイスを提供する。
順不同で読んでいっても学びや洞察が得られるように、本書は、どの章も同じ構成になっている。まずは各章のテーマとなる課題を提示し、最重要のアドバイスを短くまとめたあと、次の4つのセクションで深掘りする。
1 なぜ重要か(なぜそれがDXの成否にかかわるのかを説明する)
2 ベストプラクティス(その課題にどう取り組むべきか、事例を交えながら説明する)
3 ツールボックス(すぐに効果を出すために用いることができるツールを紹介する)
4 チェックリスト(本書のアプローチを取り入れる際の検証に使える質問を紹介する)

「本書の目的は、DXの「どうやって」を解き明かすことだ。難しいことだが、不可能ではない。私たちは思い出したくないほど多くの失敗を目の当たりにしてきたが、その一方で数多くの成功も見てきた。本書では、そこで得たベストプラクティスや洞察、アドバイスを取りそろえている。いま直面しているDXの難所を乗り越え、道を切り拓き、デジタル組織の実現に近づくために、ぜひ役立ててほしい」(序章より)

目次

序章

第Ⅰ部 DXを始動する
第1章 明確で強力な「変革理念」を打ち立てる/第2章 順調なときこそ、危機感を醸成する/第3章 変革の成功に向けて、経営陣を一致団結させる/第4章 組織的機運とエンゲージメントを醸成する/第5章 既存のデジタル・プロジェクトを棚卸しする/第6章 DXを行うために資金を調達する

第Ⅱ部 推進力を構築する
第7章 取締役会を巻き込む/第8章 適切なデジタル・ガバナンスモデルを選択する/第9章 デジタルとITを連携させる/第10章 アジャイル手法でDXを加速させる/第11章 技術インフラを構築する

第Ⅲ部 外部環境と協働する
第12章 組織内に「ハイパーアウェアネス」を構築する/第13章 パートナーシップ戦略を成功させる/第14章 スタートアップに投資する/第15章 オープン・イノベーションを効果的に実行する/第16章 DXの社会的責任と持続可能性を追求する

第Ⅳ部 ビジネスモデルを変革する
第17章 「製品」から「サービス」へ移行する/第18章 デジタル・サービスの対価に説得力を持たせる/第19章 プラットフォームと競争するか協業するかを決める/第20章 バランスのよいプロジェクト・ポートフォリオを構築する

第Ⅴ部 人と組織を導く
第21章 デジタル・リーダーシップの基準を見出す/第22章 デジタルリーダーとしての信頼を確立する/第23章 CDOの成功を導く/第24章 組織内のデジタルスキルを開発する/第25章 サイロを打ち破る

第Ⅵ部 推進力を持続する
第26章 プロジェクトのパイプラインを整備する/第27章 プロジェクトを拡張する/第28章 DXを測定する/第29章 技術の最前線に居続ける/第30章 DXで組織のレジリエンスを高める

終章 デジタル組織になるための道のり
謝辞/原注
解説 継続するジャーニーとしてのDX(根来龍之)