内容紹介
鈴川葵の成長の軌跡、第3弾「明日までに考えておけ」を実行できる
物語の主人公は、会議術や資料作りを学んで中堅社員になった女子社員です。コンサルタントの父から教わった「思考の循環サイクル」を実践し、普段意識することがなかった「考える」という行為を順序立ててこなしていきます。すると、会議や資料の質が上がるのを実感できるのです。
本書では主人公の成長を見ながら、「考え方」の原理・原則をつかんでいただきます。
「明日までに考えおいて」「もっとよく考えてほしい」──。ビジネスの現場でよく聞く、ありふれた言葉です。誰も疑問に思うことなく受け止めているが、ここで立ち止まってほしい。「よく考える」とは何をどうすることなのか?
ビジネスパーソンは考えるのが仕事であるはずなのに、肝心の「考え方」は誰も教えてくれません。
鈴川葵が活躍する「世界で一番やさしい○○の教科書」シリーズは、本書で第3弾になります。過去2冊では、多くの会社でグダグダになっている会議と資料作りをテーマにしてきました。会議や資料作りといった社会人の基本動作が身に付くと、話題は「中身」に移ります。中身の質を上げるには「考える力」が必要。考える力がなければ、会議で「本質を突く発言」などできません。資料で「何を伝えればいいか」も判断できません。
考え方というとロジカルシンキングやマインドマップなどのツールを思い浮かべる人がいますが、私たちは普段、ツールを使って「考える」という動作をしているわけではないのです。自然に物事を考えている。ただし、そのやり方は言語化されておらず、再現性が低い。誰かに教えることができないのです。
本書はここに目を向けました。とはいえ、自分は「考える力に問題がある」と自覚している人は少ない。そこでビジネス小説が役立ちます。読者の考え方と主人公の考え方を比較することができます。
<目次>
はじめに
1章:プロローグ
思考の循環サイクル
2章:「認知する」
質問で認知を深める
実践編~「認知する」を現場で試す
父の日記
3章:「思考する」
思考の4step
Step1 問いを書き出す
Step2 考えることに順番を付ける
Step3 問いに対する答えを出す
Step4「具体的には」と「なぜ」で思考を深める
素朴な疑問
Q:問いを書き出すのは難しい?
Q:Step3はどう鍛える?
Q:Step4が肝なのでは?
実践編~「思考する」を現場で試す
父の日記
4章:サイドストーリー~思考停止から抜け出す
葵の日記
5章:「行動する」
思考の足踏みを解消する行動3パターン
振り返り~相談する側の振る舞い~
1.相談のタイミングが早い
2.採点方式ではなく相談方式で
3.上司に正解を求めるな
4.自分の状態を伝えてから相談に入れ
5.上司に相談しやすい関係を作れ
振り返り~相談される側の振る舞い
1.頭ごなしに否定せず、認知を深める
2.答えを言うのではなく、思考の4stepで一緒に考える
3.偉そうにしない
6章:洞察する
洞察とはなにか
洞察の定番の問い
思考のサイクルが決定的な差を生む
経験や知識がなくても洞察はできる
洞察を日常に持ち込む
父の日記
7章:エピローグ~人の成長~
終わりに