内容紹介

◆量子力学がもたらす技術革命の現在地
現在のスーパーコンピュータが何百万年もかかる計算を、わずか数秒で終わらせる―そんな夢のようなコンピュータの実現が、近い将来に迫っているとしたら?

本書は、量子コンピュータ、量子通信、量子センサーといった、いま世界で進む量子力学による技術革命をわかりやすく解説する入門書です。量子力学の不思議な世界から出発し、量子技術が私たちの社会や暮らしをどう変えていくのかを一冊で俯瞰できます。

量子技術の影響は、安全な通信インフラの実現、病気の超早期発見、新薬開発の加速、物流や都市運営の最適化、さらには人工知能の飛躍的な進化まで、社会のあらゆる領域に及ぶと期待されています。

本書は数式に頼らず、歴史やエピソード、具体例を交えながら解説しているため、専門知識がなくても読み進められます。科学の最前線で起きている革命を、誰もが理解できる言葉で描いた一冊。量子時代の到来を読み解くための、格好の入門書です。

竹内薫氏(サイエンス作家)、マイケル・ベリー氏(英国ブリストル大学、ベリー位相で知られる高名な物理学者)、エリック・ヘラー氏(米国ハーバード大学、量子カオス分野の先駆的な研究者)らが推薦!

◆本書でわかること
・なぜ量子コンピュータは古典コンピュータを超える可能性を持つのか
・盗聴が必ず発見される量子通信のしくみ
・医療や防災を変える量子センサーの可能性
・量子技術と人工知能が生み出す未来像

◆こんな方におすすめ
・量子技術を体系的に理解したいビジネスパーソン
・AIの次に来る技術革命をいち早く知りたい人
・未来予測本や、科学読み物の読者

目次
第1章 見えないものの内側へ―量子宇宙への旅
1.1 不確定性の発見―量子世界における確率
1.2 ビットから量子ビットへ
1.3 不確実性への問い―量子の迷宮における測定
1.4 モナ・リザの微笑から量子ビットへ―重ね合わせの芸術
1.5 見えない糸―量子もつれ
1.6 相関の本質―アインシュタインの手袋
1.7 量子もつれと物理世界の実在性
1.8 ベルの不等式―実在の境界にて
1.9 量子ゲーム―「囚人のジレンマ」を量子が解消?
1.10 間奏―秩序と複雑さ

第2章 確実性を超えて―量子計算の論理と力
2.1 量子論理―ファインマンの着想
2.2 コンピュータの祖、チューリングマシン
2.3 量子並列性―計算能力の指数関数的増加
2.4 基本論理ゲート―あらゆるアルゴリズムを実現
2.5 量子アルゴリズム―量子コンピュータが不可能を可能に
2.6 シュレーディンガーのジレンマ―デコヒーレンスと捕らえどころのない猫
2.7 量子ハードウェア―私たちは今どこにいるのか
2.8 量子シミュレーション―より現実的で効果的な方法

第3章 量子通信―セキュリティの新たなフロンティア
3.1 セキュリティの源流―古典暗号
3.2 暗号解読の発展―長い戦いの歴史
3.3 バーナム、シャノン、そして完全秘匿性
3.4 エニグマ―無敵の暗号機
3.5 現代の安全な通信と素数の関係
3.6 安全な量子通信―未来はどうなるのか
3.7 情報は量子に乗って旅をする
3.8 今日の量子暗号―光ファイバーから人工衛星へ
3.9 量子テレポーテーション―SFが科学になるとき
3.10 エネルギー、情報、そしてテレポーテーション

第4章 未来のセンサー―量子技術で「不可能」を知覚する
4.1 センサーが実現するモノのインターネット
4.2 センサーとスケール―計測という技術
4.3 センサーと自然界の四つの基本的な力
4.4 ラビ振動と単一量子ビット量子センサー
4.5 見えないものを照らし出す―核磁気共鳴
4.6 ハイゼンベルク限界と量子センサー革命
4.7 量子センサーの作り方―2種類のアプローチ
4.8 未来の医学から重力まで―量子センサーの新時代

第5章 量子の地平線―新しい世界がもたらす挑戦と可能性
5.1 量子科学の最前線で生きる―挑戦と革命
5.2 量子人工知能―計算能力のくびきからの解放
5.3 日常生活をつくり変える―量子世界で私たちはどう暮らすのか
5.4 最近の進展と将来の展望
5.5 おわりに