その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は野村総合研究所データサイエンスラボ(編)の 『ビジュアル データサイエンティスト 基本スキル84』 です。
【まえがき】
本書は、「データサイエンティスト」という仕事で必要となる基礎知識・基本スキルを整理した本です。
就職や転職でデータサイエンティストになりたいと考えている方、社内異動などでデータサイエンティストの業務をすることになった方、データサイエンスの組織を立ち上げる方などに、ぜひお読みいただきたい内容になっています。
2021年に刊行した『データサイエンティスト入門』(野村総合研究所データサイエンスラボ編、日経文庫)では、データサイエンティストがなぜいま注目されているのか、どんな将来性があるのか、などを紹介しました。
その後、同書でデータサイエンティストに興味を抱き、次に読むべき本を探したが、機械学習やPythonといった具体的な知識を得るための専門書しか見つからないという指摘を受け、執筆したのが本書です。
本書は、データサイエンティストとして知っておくべき基礎知識・資格・業務・課題などをビジュアルに解説しています。データサイエンティストという名前は聞いたことがあるけれど、仕事にするならどんなことを知っていれば良いのだろうかと悩む方でも、体系的・網羅的に把握することができます。
専門的な部分については図版を活用しながら解説しているため、統計学やデータ分析の専門書はちょっとハードルが高いという方にもお読みいただける内容になっています。
第1章では、最近注目されているデータサイエンティストの仕事を紹介しました。第2章で、統計学や機械学習などの分野において、知っておいて欲しい基礎知識を整理しました。第3章では業務フロー、第4章では実務上の課題を整理し、データサイエンティストとして働くイメージがつかめるようにしています。次に、データサイエンティストとしてのキャリアパスを描くために、第5章で必要な資格を列挙し、第6章には具体的なキャリアストーリーを収録しています。最後に、第7章で、今後のデータサイエンティストで注目される能力を提起しています。
これから日本のビジネスを変えていくのはデータサイエンティストです。数学やプログラミングの知識は必要ですが、高度な専門知識まで必要なわけではありません。文系の方でもデータサイエンティストになれるのです。本書でデータサイエンティストの基礎スキルを体系的・網羅的に学んでいただき、データサイエンティストに興味を持っていただければと思います。
2022年12月 野村総合研究所データサイエンスラボ長 塩崎潤一
【目次】