その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は小野壮彦さんの『 世界標準の採用 』です。
【はじめに】
「人材が採れない」
この悩みを抱える企業が年々増えています。
増えている、などという言葉では、もしかしたら、その悩みの深さや広がりを十分に表現できていないかもしれません。
しかし、書店で採用の本を探しても、簡単には見つかりません。これだけ過熱している話題なのに、不思議に思いませんか。
試しに、日本版アマゾンの「本」セクションで「採用」と検索すると72件と表示されます。一方「営業」ではなんと2万件以上もヒットするのです*1。どちらも企業の成長をドライブする重要なテーマであるにもかかわらず、採用の本はあまりに少ないのです。
2年ほど前に『人を選ぶ技術』という本を出し、才能を見抜くフレームワークやメソッドを紹介する機会を得ました。多くの反響をいただいたのですが、その中で聞いた「採用される人のための面接対策本は多いが、採用する側のための本は珍しいね」という声は、ありがたくも、少し寂しく感じたものです。
その後、講演の機会や個別のご相談もいただくようになりましたが、そこでよく耳にしたのが、
「いくら人を見る技術を磨いても、いい人を採れそうにない」
「そもそも、うちの会社は採用の方針や体制が整っていない」
といった切実な声でした。
なるほど。人を評価する前に、「人を採るシステム(仕組み)」そのものを見直した方がいい企業が多いのか。と気づかされたのです。
このギャップを埋める手立てを提供しなければと考え、本書を執筆しました。「会社の採用活動をよくしたければ、これ一冊でいい」と言われるような本を目指したつもりです。
本書の特徴をお伝えしておきたいと思います。
私は、なによりも実務者です*2。
多くの方に読みものとして純粋に楽しんでいただけるよう心がけつつ、議論の強度を高めるため、学術論文などの文献に当たり、引用もしました。しかしこれはやはり実務書です。
勉強になった。ではなく、やってみよう。と思えること。
とにかく「使える」一冊を書こうと思いました。
本書の読み方について、少しガイドを入れさせてください。
流れを意識して組み立ててはいますが、実はこの本は、短編記事の集合体のようにつくられています。
ぜひ、気になるところ、必要なところから、つまみ食いするように読んでいただければ嬉しく思います。
全体感をお伝えしますと、本書は大きく3つのパートで構成されています。
-第1章・第2章では、目下の「世界標準」を形づくった「世界の採用革命」を概観し、日本企業の課題を示します。
-第3章・第4章では、日本企業の課題解決に向けて、採用革命後のモダンな採用システムにおける具体的なノウハウと仕組みづくりを紹介します。
-第5章では、日本独自の採用革新に向けた提言を述べさせていただきます。世界標準にキャッチアップするだけでなく、世界をリードするための方策、いわば「日本の採用革命」の仕上げとなる内容です。
たとえば、「手っ取り早くノウハウを知りたい」という方は、第3章・第4章から読んでいただいてもいいでしょう。
その後で第1章・第2章へ戻れば、なぜそうしたノウハウが必要であり、効果を上げるのか、より強い納得と確信を持っていただけるはずです。
そして、採用に何か新しい刺激やアイデアが欲しい方は第5章を、ぜひ。前著『人を選ぶ技術』で、特に反響の大きかった「ポテンシャル・モデル」に基づき、人の深層に隠された「伸びしろ」を測る技術を、採用面接に応用可能な形で詳述します。
私は、日本企業がまだまだ強くなれると信じています。その突破口たりうるテーマは何か。それこそが「採用」であり、そこには想像以上のパワーが宿っています。
さあ、一緒に「世界標準の採用」の扉を開けていきましょう。
【目次】





