その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は山河征紀さん、中野誠さん、名取美穂さん、青木美春さんの『 DevinではじめるAI駆動開発 AIエージェントがもたらす開発現場の革命 』です。
【はじめに】
ソフトウェアエンジニアという仕事の本質は、コードを書くことではありません。問題を理解し、構造を設計し、適切な意思決定を積み重ねていくことです。しかしこれまで私たちエンジニアは、仕事の8割から9割を本質的ではない作業、つまり退屈な実装や繰り返しの修正、環境構築、ボイラープレートのコードに費やしてきました。
私たちがDevinを作ったのは、この状況を変えたかったからです。AIエージェントが退屈な作業を引き受けてくれれば、エンジニアはもっと創造的な仕事に集中できます。私たちはよくこう表現します。「レンガ職人を、建築家に変える」と。それは決してエンジニアを置き換えるという話ではありません。むしろ、一人ひとりのエンジニアが、より大きなものを構想し、より速く形にできるようになるという話です。
Devinを世に出してから、世界中の開発現場で予想を超える使われ方が生まれてきました。中でも日本の実践者たちは、ひときわ早く、ひときわ深くDevinと向き合ってくれました。本書の著者が所属するULSコンサルティングは、その最前線を走り続けてきた組織の一つです。彼らがDevinとどう働き、何を発見し、どこで悩み、どう乗り越えてきたか。その記録は、私たちにとっても発見の連続でした。
本書には、AIエージェントと共に開発するための具体的な手法が、現場の言葉で詰まっています。任せる範囲をどのように設計するか。コンテキストをどのように与えるか。生成されたコードをどのようにレビューし、信頼するか。これらはマニュアルからは決して学べないことであり、日々現場で試行錯誤してきた実践者にしか書けないことです。AI駆動開発を自分の仕事として取り入れたいすべての方にとって、本書は最も信頼できる道しるべになるはずです。
私はこれまで世界中のエンジニアに一つの問いを投げかけてきました。「無限のエンジニアがいたら、あなたは何を作りますか」と。本書を読み終えたとき、その問いに対するあなた自身の答えがきっと見え始めているはずです。
Russell Kaplan(ラッセル・カプラン)
Cognition AI 共同創業者兼President
【目次】








