その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日はチェ・イナ(著)、中川里沙(訳)の『 会社のためではなく、自分のために働く、ということ 』。「プロローグ」をお届けします。
【プロローグ】
仕事を一生懸命がんばりたいけれど、まわりの雰囲気がそうではないので戸惑い、不安を感じている人。そんな人を思い浮かべながらこの本を書いた。あなたの考えは間違っていない、何かに熱心に取り組むのは無駄ではなく、幸せなことだと伝えたかったからだ。
もちろん、「がんばりすぎず、力を抜こう」というメッセージが支持される昨今、一生懸命やろうという言葉がどれほどうっとうしく聞こえるかは、私もよくわかっている。でも、ここまで生きてきて、時間こそが人生で最も希少で貴重な資源であり、結局のところ時間に対する正しい姿勢は「ひたむき」なのだと、私は考えるようになった。
本書のタイトル(原題)は、『私が手にしているものを世界に欲しがらせなさい(내가 가진 것을세상이 원하게 하라)』。もう少し長めのタイトルにしてもかまわないなら、「無条件に世界に合わせることなく」と付け加えたい。私はこの本を通じて、「無条件に世界に合わせることなく、あなたが手にしているものを世界に欲しがらせなさい」と、みなさんに伝えたいのだ。私たちはそれぞれ、顔も、性格も、好きなものも、得意なものも異なる、唯一無二の存在なのだから。
最近は、みんなが口をそろえて「自分らしく生きよう」と言う。好きな仕事を好きなようにするのは、自分らしく生きるのと変わりはない。この本には、道を切り拓くための考え方と姿勢が書かれている。私もまた、それを頼りにここまで生きてきた。
進むべき道を探しあぐねている人に、本書が少しでも役に立つなら、著者としてそれ以上に嬉しいことはない。
30年以上にわたって働きながら積み重ねてきた考え方のほかにも、いくつかの日刊紙に寄稿したコラムに手を入れたものを本書に収めている。もしかしたら、そうしたコラムをすでに読んでくれた人もいるかもしれない。その点については、あらかじめご了承いただきたい。また本書で、これまで仕事をするなかで得られたさまざまな出会いについても触れている。そうした人たちが分け与えてくれた知恵に感謝したい。
1992年に『プロの男女は差別されない(프로의 남녀는 차별되지 않는다)』という本を世に送り出してから31年ぶりに新刊を出すことになった。
人生で仕事を大切にする人たちにこの本が届くことを願っている。
2023年4月 チェ・イナ
【目次】
【著者が代表を務めるチェ・イナ本屋の様子】









