その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日はネモ(根本直樹)さんの 『思い込む力 やっと「好きなこと」を仕事にできた』 です。


【はじめに】

 はじめまして、ネモ(根本直樹)です。
 私は大学卒業後、システムエンジニア(SE)として会社に勤めながら、趣味で格闘ゲームを続けていました。毎日、仕事を終えたらゲームセンターへ通ってゲームをプレイし、週末は各地のゲームセンターで開催されるゲーム大会に参加する―そんな日々を過ごしていました。

 そのうちに、周りのゲーム仲間はプロゲーマーとなり、プロとしての活動を始めました。みんなの姿を見るうちに「私もプロゲーマーになりたい」と思うようになり、スポンサー営業をして2016年に「ALIENWARE( エイリアンウェア)」と契約。会社に勤めながらプロゲーマーとしても活動を開始しました。

 2017年には、プロ活動をするためにもゲームに理解のある会社へ転職したいとスクウェア・エニックスへ入社。一方で、プロゲーマーとしては2018年に世界的な大手eスポーツチームである「Team Liquid( チーム・リキッド)」へ移籍、同時に芸能事務所であるアミューズに所属するなどプロゲーマー活動を拡大します。この間、「兼業プロゲーマー」としての道をずっと歩んできました。

 しかし2021年、スクウェア・エニックスを退社、前後してチーム・リキッド、アミューズからも離れて独立し、プロゲーマー専業となりました。現在は、10年以上続けた会社員人生から、プロゲーマーをやりつつeスポーツのコンサルティング業も手掛けるというキャリアチェンジを遂げています。こうして振り返ると、社会人としても、プロゲーマーとしても、少し変わったキャリアかもしれません。

 一通りの自己紹介が終わったところで、さて皆さんに質問です。

「仕事でやりたいことや夢ってありますか?」

 私は今、プロゲーマーという職業に就き、好きなことを仕事にできています。先の自己紹介を見てもらうと、やりたいことに向かって一直線に進んできたように思う人もいるかもしれません。しかし、私はもともとプロゲーマーになりたかったのかというと、実はそうではありませんでした。

 たまたま格闘ゲームに出合って夢中になり、趣味として全力でやり続けていたら、そこからプロゲーマーになりたいという気持ちが芽生えました。だからといって、最初から専業のプロゲーマーは目指さず、会社員勤めをしながらゲーマーとしても活動する兼業プロゲーマーの道を選びました。それは、仕事を辞め、将来どうなるかわからないプロゲーマー1本の道を選ぶのは私自身、不安だったからです。また、父が病気で介護が必要という家庭の事情から、母親を心配させたくないという気持ちもありました。親に納得してもらうためにも、兼業からスタートしたのです。

 そういう意味では、やりたいことや夢に迷わず進んできたわけではありません。現実的な生活の中で趣味を続け、そのうちにやりたいこと( プロゲーマー)が見つかり、そのやりたいことに向けて自分はどうすればいいのかと、真剣に考えて周りに相談していった結果、少しずつ思いを叶えてきました。その原動力になったのは、よくわからないけれどできると「思い込む力」でした。

 今回、私がこの本を出したいと思ったのは、好きなこと、やりたいことを仕事にする方法はいろいろあると伝えたかったからです。今の時代、「自分に向いている仕事を選ぼう」とか「やりたいことを仕事にしよう」などと言われることが多いです。でも、その言葉にとらわれすぎて、やりたいことが浮かんでも頭の中で向いていないと判断してあきらめてしまう人や、そもそも何をやりたいかがわからないと悩む人、やりたいことはあっても、それを仕事にするためにどうすればいいのかがわからず立ち止まってしまう人、そのままではできないことを無理にやろうとあがき続けてしまっている人など、結果的に人生の選択肢を狭めている人もたくさんいるようにも思います。

 そんな人たちに1つのモデルケースとして、私が体験したことや考えてきたことを伝えられればと思っています。新型コロナウイルス禍をきっかけに、ますますいろいろな働き方ができるようになった時代。何をするにも方法は1つではありません。自分なりに工夫して道を選んでいくうちに、やりたいことや夢が見つかり、それに向かって進むことができるのだと思います。おそらくそれが私の「思い込む力」です。私自身がそうだったように、この本を通じて読者の皆さんにも「今までは想像しなかったこれまでと違う未来を考えられる」ようになってもらえたらうれしく思います。



【目次】

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