その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は竹内健登さんの 『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』 です。
【はじめに】
就活は「子育ての総仕上げ」と私が断言する理由
本書は、就活生の親御さんに向けた就活支援書です。タイトルにもあるように、あなたのお子さんを「一流ホワイト企業」に内定させることを目的としています。
昨今、就活市場は「売り手市場」といわれています。実際、ここ数年の就職率は95%を超えるなど、その状況が反映された統計データを目にしたことのある方も多いでしょう。
しかし、いざ学生たちに目を向けると、見える風景はガラリと変わります。非常に多くの学生たちが、内定を思うように得られず、人生に迷い、挫折を経験している──それが、学生から見た就活なのです。
この学生たちの苦悩と社会とのギャップは、ここ数年、ますます深刻になってきているように感じます。
実際、学生は就活を始めるや否や、厳しい現実に直面することになります。
まず、多くの学生は、本書でご紹介するような「一流ホワイト企業」への内定を目指します。ということは、裏を返せば、一部の人気企業に応募が殺到しているということです。これらの企業を目指すならば、学歴や留学経験、あるいは人柄や性格のよさだけでは太刀打ちできません。
さらに、多くの学生は「手探り状態」で就活をしています。「企業の求める人物像」も知らず、十分な対策も準備もしないまま選考に突入し、企業からの「お祈りメール(不採用通知。「ご縁がなかった」などの表現ののち、「○○様の今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます」などと締めくくられることから、このように呼ばれることとなった)」を受け取ることになります。
理由もわからず、ただ拒絶されれば、どんな学生も傷つきます。「自分みたいな人間は、どの企業にも入れない」と思い詰めてしまう学生も少なくありません。
本書では、そのような過酷な状況を打開すべく、親御さんにできること、していただきたいことをご紹介します。親御さんのアドバイスとサポートによって、就活はだいぶスムーズに進めることができます。言ってしまえば、親御さんの力がお子さんの就活の成否を分けるといっても過言ではない──そんな時代になっていると私は感じています。
私はこれまで長年にわたり、自分自身が学生と接しながら就活指導を行なってきましたが、
「親御さんの的確なアドバイスを得たとたんに、お子さんの就活がうまく回り始め、驚くほど多くの内定を獲得できた!」
というケースは数えきれません。本書では、その実例もご紹介しながら、お子さんの就活成功のカギをお伝えしていきます。
就活生のお子さん、あるいはこれから就活に挑もうとするお子さんを持つ方は、なるべく早く、就活を理解してください。そこから正しいサポートや指導をすることで、あなたのお子さんは余計な苦労を強(し)いられることなく、そして後悔なく一流ホワイト企業に内定できるでしょう。
「自分の子どもは、就活にほとんど興味がなく、行きたい業界も企業もはっきりしない」
という方でも、本書を手に取るのに早すぎることはありません。本書には、離職率や経営状態、働く社員の満足度などから算出した「一流ホワイト企業100社」のリストと、それらの企業に挑戦するためのヒントといった情報──大学のキャリアセンターや人材紹介会社では得られない情報──も掲載します。本書を通して、お子さんがご自身の進路をじっくり考えることもできるでしょう。
本書は「リアルな就活」に対応できる、実践的な内容です。ぜひ、あなたのご家庭の子育ての総仕上げにお役立てください。
本書の「どこ」を読んだら、あなたのお子さんが内定を取れるのか?
ここで、本書の構成と、章ごとの目的をお伝えしておきます。
まず序章では、みなさんに就活のリアルを知っていただくべく、私と弟の就活体験をお伝えします。私も弟も東京大学を卒業していますが、実は2人とも、就活に「失敗」し、希望とは異なる社会人生活をスタートしなければなりませんでした。
私たち兄弟の事例は決して珍しいものではありません。今の時代は、東大生すら就活に苦労しているのです。本章に目を通していただければ、なぜ私たちの就活がうまくいかなかったのか、うまくいった学生と何が違ったのかをおわかりいただけるでしょう。
1章では現代の就活の特徴を明らかにし、「なぜ就活に親御さんの支援が不可欠なのか」をお話しします。内定に必要な能力をつけていくための前提となる知識と情報を集めていますので、先をお急ぎの方もこの章は飛ばさずお読みください。
次に2章では、本書の核である「一流ホワイト企業」の条件を明らかにし、それに該当する100社を選抜してランキング形式でお伝えします。本章をご覧いただければ、企業研究をする際のポイントもおわかりいただけるでしょう。
「社会人としてのキャリアを一流ホワイト企業で始める」ということの本当の意味もお伝えできればと思っています。
3章では、「一流ホワイト企業が求める学生像」と、「お子さんの就活成功のために親御さんに取り組んでいただきたいこと」を明らかにしていきます。
ここで紹介する評価項目は、どんな業界・企業を志望する場合にも活用できるはずです。
4章では、「一流ホワイト企業」特有の選考フローと対策に焦点を当てて、3章で紹介した項目の具体的事例を取り上げます。本章に目を通すことで、実際の選考のイメージを醸成することができるでしょう。また、企業から難しい課題を与えられ困っている場合にも参考になるはずです。
そして最後の5章では、就活のちょっとしたポイントや、当社が運営している就活スクール「ホワイトアカデミー」に寄せられる悩みを、Q&A形式で紹介していきます。
以上がこの書籍の概要です。ぜひ本書を通じて、お子さんを最高のファーストキャリアに導いてあげてください。少しでも多くのご家庭の、お役に立てれば幸いです。
なお、各社の平均年収・離職率は『就職四季報』(東洋経済新報社)の許可のもと、転載しています。
【目次】